
夜の若葉
概要:
一
桃子の座席から二列ばかり先が、ちょうどその二階座席へ通じる入り口の階段になっていた。
もう開演時間の迫っている今は、後から後から込んでいかにも音楽会らしい色彩の溢れたおとなしい活気の漲った混雑がそのあたりに渦巻いている。
プログラムと書類入れの鞄とを膝の上...
(本文冒頭より抜粋) (閉じる)
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