
蒼茫夢
概要:
一
冬の明方のことだつた。
夜はまだ明けない。
然し夜明けが近づかうとしてゐるのだ。
夜の不気味な妖しさが衰へて、巨大な虚しい悲しさが闇の全てに漲りはじめてゐる。
草吉はそのとき自然に目を覚した。
室内も窓の彼方も一色の深い暗闇ではあつたが、重量の加はりはじめた寒気と、胸苦し...
(本文冒頭より抜粋) (閉じる)
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