欲望について ――プレヴォとラクロ――
概要:
私は昔から家庭といふものに疑ひをいだいてゐた。
愛する人と家庭をつくりたいのも人の本能であるかも知れぬが、この家庭を否応なく、陰鬱に、死に至るまで守らねばならぬか、どうか。
なぜ、それが美徳であるのか。
勤倹の精神とか困苦耐乏の精神とか、さういふ美徳と同じやうに、実際は美徳よりも悪徳...
(本文冒頭より抜粋)
欲望について ――プレヴォとラクロ――
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