宮本武蔵 05 風の巻
概要:
枯野見
一
丹波街道の長坂口は、指さして彼方に望むことができる。
並木越しに、白い電光かのように眼を射るのは、その丹波境の標高で、また、京都の西北の郊外を囲っている山々の襞をなしている残雪だった。
「火を放けろ」
と誰かいう。
春先なのだ。
まだ正月の九日とい...
(本文冒頭より抜粋)
宮本武蔵 05 風の巻
販売(無期限): ¥ 0(税込)
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枯野見
一
丹波街道の長坂口は、指さして彼方に望むことができる。
並木越しに、白い電光かのように眼を射るのは、その丹波境の標高で、また、京都の西北の郊外を囲っている山々の襞をなしている残雪だった。
「火を放けろ」
と誰かいう。
春先なのだ。
まだ正月の九日とい...
(本文冒頭より抜粋)