堕落論〔続堕落論〕
概要:
敗戦後国民の道義|頽廃《たいはい》せりというのだが、然《しか》らば戦前の「健全」なる道義に復することが望ましきことなりや、賀すべきことなりや、私は最も然らずと思う。
私の生れ育った新潟市は石油の産地であり、したがって石油成金の産地でもあるが、私が小学校のころ、中野貫一という成金の一人が産をなして後も大いに倹約であり、停車場から人力車に乗ると値がなにがしか高いので万代橋《ばんだいばし》という橋の袂《たもと》まで歩いてきてそこで安い車を拾うという話を校長先生の訓辞に於《おい》て幾度となくきかされたものであった。ところが先日郷里の人がきての話に、この話が今日では新津某という新しい石油成金の逸話に変り、現に尚《なお》新潟市民の日常の教訓となり、生活の規範となっていることを知った。
(本文冒頭より抜粋)
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