煙と影の交差点

概要：

孤独な小説家であるサイコは、長い間、同じ場所に留まっているような感覚に苛まれていた。創作意欲は尽き、日常はただ無味乾燥な時間の連続。閉塞感に包まれた日々を送る彼女は、どこか現実から逃げたいという思いを抱えていた。そんなある日、偶然にも昔の友人であるシイコと再会することになる。お互い、人生の岐路に立っていることを感じ取った2人は、話すうちに再び心を通わせ、かつての友情を取り戻す。
数度の会話を経て、サイコとシイコは一緒にルームシェアを始めることを決意する。1人で過ごすよりも、誰かといる方が心地よいという希望を胸に抱え、2人は新しい生活をスタートさせる。しかし、それは単なる楽しい同居生活では終わらなかった。お互いが干渉し合うことにより、ルームシェアは彼女たちの生活を良くも悪くも大きく変え、次第に2人の関係にも微妙なひずみが生じ始める。
それぞれの視点そして第3の視点で繰り広げられる、友情や共同生活の枠を超え、誰もが抱える人間関係や孤独、そして人生の意味を問うヒューマンドラマ。

著者紹介：
鹿野 夕綺（しかの ゆうき）
1993年、埼玉県与野市（現さいたま市）生まれ。幼少期から図書館に通い詰め、本の世界に没頭する日々を送る。本を手に取るたびに異なる世界へ旅立つような感覚に魅了され、本の虫として成長。都内の女子大学で学び、理系の学問に興味を抱くようになった。

大学卒業後は、病院で医療関係の仕事に従事。常に探求心を持ち、専門的な知識を活かしながら日々の業務に取り組んでいる。
趣味は自然と触れ合うことや読書で、動物に好かれる特技を持つ。
最近アロマテラピーアドバイザーの資格を取得。 （閉じる）