
世界を配給する人びと 遠いところの声を聴く
概要:
彼らはなぜ”遠いところ”と強く結びついたのか。語られてこなかった声をどのように届けているのか。シリア、マーシャル、マダガスカル、ウガンダ、グリーンランドとつながる5人のライフストーリー。
一番遠くにあるものを引き寄せてつなぐ力。
彼らはなぜ”遠いところ”と強く結びついたのか。
語られてこなかった声をどのように届けているのか。
シリア、マーシャル、マダガスカル、ウガンダ、グリーンランドとつながる5人のライフストーリー。
映画配給に携わってきた編著者が見た、世界の重なり合い。
映画の仕事にまつわるコラムも多数収録。
「いくつかの強国の関係史だけを知ることが、世界史を学ぶということではないはずです。
弱国史という仮想のジャンルは、〈聞く〉ことでスタートするでしょう。
「ほんとうは日本との関係が深い国」と認識を新たにすること、そこにも素敵な隣人たちがいると知ることが、ひとつのゴールになるでしょう。」
(もうひとつの「はじめに」ーー岡田林太郎「〈弱国史〉概論」より抜粋)
【目次】
はじめに
1〈優しきひとさらい〉と出会うシリア 斉藤亮平
「映画配給と私」人生に関わる映画
2〈憶えている〉環礁、マーシャル 大川史織
「映画配給と私」映画が映画館に届くまで[前編]
3 時の止まった島、マダガスカル 武末克久
「映画配給と私」映画が映画館に届くまで[後編]
4 気取らない国、ウガンダ 大平和希子
「映画配給と私」作品の本質を大切に、どう広げ深めるか
5「動物の楽園」に暮らす、北極民族 遠藤励
「映画配給と私」「映画が好き」と言えるまで
「映画配給と私」コロナ禍で気づいたミニシアターを守りたい気持ち
もうひとつの「はじめに」ーー〈弱国史〉概論 岡田林太郎
おわりに
【著者】
アーヤ藍
1990年生まれ、長野県育ち。慶應義塾大学総合政策学部卒業。在学中にアラビア語の研修で訪れたシリアが帰国直後に内戦状態になり、シリアのために何かしたいという思いから、社会問題をテーマにした映画の配給宣伝を行うユナイテッドピープル株式会社に入社。同社取締役副社長を務める。2018年に独立。「映画探検家」として、映画の配給・宣伝サポート、映画イベントの企画運営、雑誌・ウェブでのコラム執筆などを行う。アーヤはシリアでもらった名前。
斉藤亮平
1983年東京都生まれ。国立音楽大学卒業後、青年海外協力隊でシリアへ派遣。シリア・ハマ県パレスチナ難民地区の小、中学校で音楽教師として2年間を過ごす。その後、ブータン王国の音楽学校にてピアノ教師、日本の音楽出版社勤務の後、シリア難民支援活動に従事。2017年にJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)に入職。趣味の料理が高じて中東各地でレシピを収集、定期的に料理教室を主催。また、難民キャンプ専用バンド「ババガヌージュ」を結成し、中東各地の難民キャンプで音楽ライブを行なっている。
大川史織
1988年神奈川県生まれ。2016年に春眠舎を立ち上げ、プロデューサー・藤岡みなみと映画製作・配給を行う。ドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018年)で初監督。『keememej』(2022)監督。編著書に『マーシャル、父の戦場―ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林、2018年)『なぜ戦争をえがくのか―戦争を知らない表現者たちの歴史実践』(みずき書林、2021年)がある。2024年より春眠舎で出版事業をスタート。本書が初の版元本となる。
武末克久
1976年福岡県生まれ。バニラ商人。九州大学農学部卒。同修士課程修了。オックスフォードブルックス大学国際関係学修士課程修了。製薬会社の開発部門に就職するも911のテロから世の中の理不尽さを感じるようになり、妻のイギリス転勤をきっかけに退職。イギリスで国際政治経済学を学ぶ。帰国後は環境経営コンサルタントとして、企業活動に「環境」を組み込む仕事に専念。2017年に退職後、観光で訪れたマダガスカルのバニラ農園に一目惚れ。合同会社Co?En Corporationを設立し、バニラの輸入・販売を手がける。
大平和希子
1983年富山生まれ。アフリカ研究者。青年海外協力隊、教育機関勤務を経て進学。2023年に東京大学大学院より博士号(国際貢献)授 (閉じる)
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- 文芸 > 純文学 文芸 > 日本文学・評論
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