豊かな人生を引き寄せる「あ、これ美味しい!」の言い換え力

コンテンツ紹介：

本書は、味わいの言葉表現を研究されている福島宙輝氏による、味や日々の食事体験に関する言葉表現を学問的にとらえて楽しもうという斬新な書籍である。日本酒やラーメンをはじめとする、あらゆる食品の細かい味の違いを記憶・比較・分析するスキルを持ち、“食べたものを言葉で表現”する、“味を言語化する力”を身につけることで、楽しく豊かな人生を引き寄せられるということを紹介している。九州女子大学の教科書にも採用されるほど、味覚について徹底的にこだわり、詳細に記述されたものである。

数多くのグルメ番組等で実践されている味覚表現を例に、繊細な味の表現を豊かにする手法について踏み込んで解説している。本書を読むことで、今まで感じていた味の感想に幅を持たせることができるだろう。「おいしい」とか「うまい」、「ヤバっ」以外の言葉で味を表現してみようというものである。

本書では、誰にでも味の違いがわかるように、ベースの味とサブの味、舌の味覚センサーの分布、辛味や渋味などの刺激は味覚でなく痛覚であるなど、科学的な要素も交えて具体的に味覚の感じ方や意味を論理的に紹介している。味覚表現が豊かになればなるほど、本当の「美味しい」を実感することが可能になり脳の整理ができてくるので、ことば表現を楽しめるようになれば豊かな人生を送れるということを教えてくれる。

何気ない日常の中で、美味しい食べ物はたくさんある。高級品や有名店で食事したとしても「美味しい」としか表現できなければ本当の満足は得られないのかもしれない。ただ「美味しい」だけではなく、どのように美味しいのか、味の違いを積極的に記憶・比較・分析することで、自分の好きな味や個性を導き出すことができる。本書を読み進めることで、本当の意味での味の楽しみや味わい方を理解できるようになるので味の表現に幅を持たせて豊かな人生を引き寄せるためにも、一度読んでみることをおすすめする。