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文芸 > 紀行

検索結果340件中181件から225件までを表示
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  • タイトル: 箱根の山々
    著者: 近松秋江
    出版社: ConTenDo
    概要:  夏が來て、また山の地方を懷かしむ感情が自然に私の胸に慘んでくるのを覺える。 何といつても山を樂しむのは夏のことである。 曾遊の夏の山水風光を、かうして今都會の中にゐて追憶して見るさへ懷かしさに堪へないで、魂飛び神往くの思ひがするのである。  日光の奧中禪寺湖の短艇の上で遠く仰望し....
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  • タイトル: 塩原日記
    著者: 岩野泡鳴
    出版社: ConTenDo
    概要:  十月廿七日、晴。 急行で午後四時三十分頃に西那須驛に着した。 實は、初めてのことで、而も急行は宇都宮より先きは黒磯でなければとまらぬやうに旅行案内には出てゐたので、正直に黒磯までの切符を買つたのだが、車上で人に教へられて西那須へ下りたのだ。  そこから自動車(乘り合ひ、一人前四圓....
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  • タイトル: 霧の旅
    著者: 吉江喬松
    出版社: ConTenDo
    概要:  北國街道の上には夏草がのびてゐた。  柏原から野尻湖まで一里ばかりの間、朝霧が深くかゝつてゐて、路上の草には露が重かつた。 汽車をおりて初めて大地を踏んで行く草鞋の心持、久振で旅を味ふ心には、總てが鮮かに感じられた。  柏原には一茶の俳諧寺の在ることは聞いてゐたが、霧が....
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  • タイトル: 獄中の女より男に
    著者: 原田皐月
    出版社: ConTenDo
    概要:  一  私には暗い/\日許り続いて居ます。 もう幾日経つたのか忘れて了ひました。 此処に斯うして居ると堪らなく世の中が恋しくなります。 貴方の傍が……貴方の傍が……貴方はあのテーブルの上でお仕事をして被入るでせう? 一輪ざしの草花がもうぼろ/\に枯れたらうなんて昨夕も考へ... ...
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  • タイトル: 舞子より須磨へ
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  舞子の停車場に下りた時は夕暮方で、松の木に薄寒い風があった。 誰も、下りたものがなかった。 松の木の下を通って、右を見ても、左も見ても、賑かな通りもなければ、人の群っているのも目に入らない。 海は程近くあるということだけが、空の色、松風の音で分るが、まだ海の姿は見えなかった。 私は、...
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  • タイトル: 一ノ倉沢正面の登攀
    著者: 小川登喜男
    出版社: ConTenDo
    概要: 一行 小川、田名部、高木(力) 一九三〇年七月十七日(曇・午後夕立) 一ノ倉沢出合(六、〇〇)―雪渓下部(七、〇五)―雪渓の裂け目(七、三五)―雪渓上部(八、二五)―一枚岩の岩場中の台地(九、二〇―九、四〇)―水のあるリンネ上の台地(一、〇〇―一、二〇)―尾根上の岩塊下(三、... ...
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  • タイトル: 水郷めぐり
    著者: 若山牧水
    出版社: ConTenDo
    概要:  約束した樣なせぬ樣な六月廿五日に、細野君が誘ひにやつて來た。 同君は千葉縣の人、いつか一緒に香取鹿島から霞ヶ浦あたりの水郷を廻らうといふ事になつてゐたのである。 その日私は自分の出してゐる雜誌の七月號を遲れて編輯してゐた。 何とも忙しい時ではあつたが、それだけに何處かへ出かけ度い欲望....
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  • タイトル: 浅草の喰べもの
    著者: 久保田万太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  料理屋に、草津、一直、松島、大増、岡田、新玉、宇治の里がある。  鳥屋に、大金、竹松、須賀野、みまき、金田がある。  鰻屋に、やつこ、前川、伊豆栄がある。  天麩羅屋に、中清、天勇、天芳、大黒屋、天忠がある。  牛屋に、米久、松喜、ちんや、常盤、今半、...
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  • タイトル: ダルマ船日記
    著者: 山之口貘
    出版社: ConTenDo
    概要: ×月×日 金  眼を覚ましてみると、側に寝ていた筈の六さんの姿は見えなかった。  居候のくせに、なぜこうも寝坊するのであろうか。  桝のような船室から首を出して、甲板を見廻わすと、既に、七輪の薬罐が湯気を吹きあげていた。  この船の名は、水神丸。 積載量百トン。 ...
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  • タイトル: 伊那紀行
    著者: 今井邦子
    出版社: ConTenDo
    概要:  此度の信州旅行は、伊那の高遠町の名高い小彼岸櫻を見る事と、天龍峽の芽吹きの若葉を見たい爲であつたが、高遠町の方には更に永年心にかけてゐた老女繪島の遠流の事蹟をしらべたい私の念願が果されて、はからずも伊那の友人によつて、彼の地に繪島の研究者があり、その人に紹介の勞をとつてもらふ事... ...
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  • タイトル: 八月の霧島
    著者: 吉田絃二郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  夜の汽車から浪に映る宮島の燭を見ようと思つてゐたが、旅の疲れですつかり眠つてしまつて、眼がさめたころは夜はすでに明けてゐた。 中国特有の低い砂山の松の間には赤い百合の花が咲いてゐた。 芒の穂につつまれた磯の、広い塩田には朝の露が重く、まだ人の影一つ見えなかつた。  静かな朝の入り....
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  • タイトル: 火と氷のシャスタ山
    著者: 小島烏水
    出版社: ConTenDo
    概要:  山仲間から、アメリカで好きな山は何か、と聞かれると、一番先きに頭に浮ぶのは、シャスタ山である。 がそれは必ずしも、好きであるからではない、位置が南に偏り過ぎて、雪が早く融けるし、氷河は小ッぽけな塊に過ぎないし、富士山のように、新火山岩で、砂礫や岩石が崩れ易いので、高山植物は稀薄で... ...
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  • タイトル: 可愛い山
    著者: 石川欣一
    出版社: ConTenDo
    概要:  岩と土とからなる非情の山に、憎いとか可愛いとかいう人間の情をかけるのは、いささか変であるが、私は可愛くてならぬ山を一つもっている。 もう十数年間、可愛い、可愛いと思っているのだから、男女の間ならばとっくに心中しているか、夫婦になっているかであろう。 いつも登りたいと思いながら、まだ......
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  • タイトル: 吉岡芳兼様へ
    著者: 織田作之助
    出版社: ConTenDo
    概要: 吉岡芳兼様へ 織田作之助  御たより拝見しました。  拙作を随分細かく読んで下すって、これでは作者たるものうっかり作品が書けぬという気がしました。 もっとも、うっかり書いたというわけでもないのですが。  自作を語るのは好みませんが、一二お答えします。  まず「新潮」...
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  • タイトル: 土淵村にての日記
    著者: 水野葉舟
    出版社: ConTenDo
    概要:   一  S君の家に着いた時には、もう夜がすっかり更けていた。  途中で寄り道をして、そこですっかり話し込んでしまったので、一里余りの道は闇の中をたどって来た。 闇の中にひろびろと開けた、雪の平を通って来た。 闇と言ってもぽっとどこか白々として、その広い平がかすかに見透... ...
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  • タイトル: 谷より峰へ峰より谷へ
    著者: 小島烏水
    出版社: ConTenDo
    概要:  穂高岳より槍ヶ岳まで岩壁伝いの日誌(明治四十四年七月) 二十日 松本市より島々まで馬車、島々谷を溯り、徳本峠を踰え、上高地温泉に一泊。 二十一日 穂高岳を北口より登り、穂高岳と岳川岳(西穂高岳)の切れ目より、南行して御幣岳(南穂高岳または明神岳)の一角に達し... (本...
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  • タイトル: 白峰山脈縦断記
    著者: 小島烏水
    出版社: ConTenDo
    概要:  緒言  前年雨のために失敗した白峰山登りを、再びするために、今年(四十一年)は七月下旬高頭式、田村政七両氏と共に鰍沢へ入った、宿屋は粉屋であった、夕飯の終るころ、向い合った室から、一人の青年が入って来た、私たちが、先刻から頻に白峰、白峰と話すのを聞いて、もしやそれか... (...
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  • タイトル: 霧の不二、月の不二
    著者: 小島烏水
    出版社: ConTenDo
    概要:  不二より瞰るに、眼下に飜展せられたる凸版地図の如き平原の中白面の甲府を匝ぐりて、毛ばだちたる皺の波を畳み、その波頭に鋭峻の尖りを起てたるは、是れ言ふまでもなく金峰山、駒ヶ嶽、八ヶ嶽等の大嶽にして、高度いづれも一万尺に迫り、必ずしも我不二に下らざるが如し、不二は自らその高さを意識... ...
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  • タイトル: 雪の白峰
    著者: 小島烏水
    出版社: ConTenDo
    概要:  アルプスに Alpine Glow(山の栄光)という名詞がある、沈む日が山の陰へ落ちて、眼にも見えなくなり、谷の隅々隈々に幻の光が、夢のように彷徨い、また消えようとするとき、二、三分の間、雪の高嶺に、鮮やかな光が這って、山の三角的天辺が火で洗うように耀く、山は自然の心臓から滴れ... ...
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  • タイトル: 雪中富士登山記
    著者: 小島烏水
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  今朝は寒いと思うとき、わが家の背後なる山王台に立って、遥かに西の方を見渡すと、昨夜の風が砥ぎ澄まして行った、碧く冴えた虚空の下には、丹沢山脈の大山一帯が、平屋根の家並のように、びったり凍かんで一と塊に圧しつけられている。 その背後から陶器の盃でも伏せたように... (本...
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  • タイトル: 茂吉への返事
    著者: 折口信夫
    出版社: ConTenDo
    概要: わたしはこゝで、駁論を書くのが、本意ではありません。 そんなことをしては、忙しい中から、意見して下された、あなたの好意を無にすることに當りませう。 其に第一、お申し聞けの箇條は、大體に於て、わたしの意表外に出たことではありませんでしたから。 といふと、何だかあなたの語を輕しめる樣な、高....
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  • タイトル: 旅からのはがき
    著者: 水野葉舟
    出版社: ConTenDo
    概要: 今、花巻に着いた  九時、今、花巻に着いた。 目的地の遠野行きの馬車はすぐ出るんだが、道はずいぶん遠いそうだし、それにそういそぐわけではなし、昨晩はろくに眠れなかったから、今日は一日ここで眠ろうと定めた。 こんな事なら仙台で降りればよかった、と思ってる。  ここに来て、... ...
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  • タイトル: 由布院行
    著者: 中谷宇吉郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  去年の夏のことである。 漸く学校は卒業したが、理研の方の建物が出来上っていなかったので、暫く物理教室の狭い実験室の一隅を借りて、仕事を続けていた時のことである。 Y君やM君と一緒に、一室で三組も実験をしていて、窮屈な思いをしていたところへ、夏が来た。  夏休みで学生がいなくなると....
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  • タイトル: 天草の春
    著者: 長谷健
    出版社: ConTenDo
    概要:  三月二十三日  きのう越後からの便りに、越路はまだ深い雪の中で、春まだ遠くとあつたが、肥後路の季節は早く、菜の花も桜も今や満開、らんまんの春の姿である。 しかしこの日は珍しく北の風が出て雲低く、さきがけた春の出ばなをくじかれた思いで、天草への船が三角港を出帆したころは、粉雪さえ... ...
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  • タイトル: 豊島ヶ岡
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: 江戸川の終點にて下り、目白臺を左にし、小日向臺を右にして、音羽八町を行き盡くせば、護國寺の門につき當る。 そこを豐島ヶ岡と稱す。 一帶の丘陵、樹木欝蒼として秀色掬すべし。 殊に音羽の道路の坂ともつかずに次第々々に高まること、他に其比を見ず。 門前より牛込を見渡してもはれ/″\しく、音羽...
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  • タイトル: 鹿野山
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要:   一 鹿野山二十咏 大正二年の夏、上總の鹿野山に遊びて、鹿野山二十詠を作る。 これ歌に非ず、三十一文字の案内記也。 一  八尾八作八峯八つ塚大杉の森の中なる大伽藍哉 二  上總にて第一と聞く大寺の由來は古し聖徳太子 三  本堂の後ろの箱にとぐろ卷く大蛇は左... ...
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  • タイトル: 小石川台
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: 東京に移り住みてより茲に三十年、東京は、第二の故郷なり。 その東京にて、居を更へしこと、幾十度なるを知らざるが、感化と印象との最も多く殘れるは、小石川臺也。 そは、杉浦重剛先生の稱好塾に寓したれば也。 聞く、先生この頃、毎土曜日の夜に、徒を集めて、孫子を講ずと。 往いて教を乞はむと欲し...
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  • タイトル: 中野あるき
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: ことしは、雨の多き年なる哉。 春多くふりたり。 更に四月の始めに大雪ふりたり。 六月に入りて、雹さへ降りたり。 この具合にては、梅雨の候は、所謂虚梅雨なるべしと思ひしあても、外づれて、大いに降る。 降らぬ日とても、陰にくもりて、いつ降り出すかもわからず、思ひ切つて散歩も出來ざりしが、...
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  • タイトル: 小金井の桜
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: 聖武のみかど勅願せさせ給ひけむ、金光明、四天王、護國の國分寺すたれて、遺跡たゞ敗瓦を見る。 歌舞の菩薩の戀ヶ窪、香骨、土と化し、烟華の地、野らとかはりて、傾城の松ばかりぞ、むかしながらの色なる。 井ノ頭の池ひろく境幽なる處、貫井辨天の小高く眺め開けたる處、絶代の工事、野をつんざいて、......
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  • タイトル: 北総の十六島
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: 利根川の下流、霞ヶ浦の末と相會する處、十六島は今ひとつに成りたれども、水路縱横、烟霞縹渺、白帆相望み、漁歌相答へ、名たゝる三社、屹として水湄に鼎立す。 三社とは、香取祠、鹿島祠、息栖祠、是れ也。  高天原より下りて、一劍天下を風靡し、餘威を常總のはてまでも及ぼし給ひたる二大偉人の......
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  • タイトル: 千川の桜
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: 小金井の山櫻の區域盡きて、境橋架れる處より、玉川上水分派し、練馬驛、東長崎驛を經て、板橋に入る。 これを千川上水と稱す。 大正四年、この上水べりに櫻と楓との若木を植ゑ付けたりと聞く。 さても花の名所の増加すること哉。  大正五年四月十日、風強し。 花の都變じて塵の都となる。 庭...
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  • タイトル: 新武蔵野の桜
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: 相手は變れど、主は變らず。 昨、夜光命の手にせし四合入の瓢箪、今日は十口坊の手に在り。 裸男は例の三合入の瓢箪を手にして、新宿の追分より、京王電車に乘る。 線路をはじめは甲州街道に沿ひしが、やがて舊玉川上水に沿ふ。 沿ふより間もなく、天神橋の手前の右に近く可なり大なる銀杏あり。 凡そ...
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  • タイトル: 遊羽雑感
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要:   一 古來、奧羽は、日本武尊を始めまつり、田村將軍、源頼義、義經など、英雄豪傑が武を以て王化に浴せしめたる處とのみ思ひしは、げに皮相の謬見なりき。 われ山寺に遊びて、始めて知る、前九年の役に先だつこと凡そ二百年、早や已に絶代の聖僧慈覺大師が、徳を以て奧羽の人を救... (本...
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  • タイトル: 粕壁夜行記
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: 第三回の夜行を粕壁に爲すこととなりけるが、夜光命も來らず、十口坊も來ず、山神慨然として、『妾を伴ひ給へ』と乞ふ。 似たもの夫婦と、人や云ふらむ。 裸男承知して、將に家を出でむとすれば、伊藤薊山、上京したるばかりの足にて、來り訪ふ。 裸男の行裝を見て、『何處へ行く』と問ふ。 夜行の事を告...
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  • タイトル: 国府台
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要: 烟分二遠樹一幾層横。 脚下刀河晩忽明。 捲レ地風來枯葉走。 伯勞吐レ氣一聲々。  苦吟漸く成る。 何となく、うれし。 ひとりにて飮む酒も、一種の味を生ず。 詩は、よかれ、あしかれ、出來れば、うれしき也。 苦しめば、苦しむほど、猶ほうれしき也。  余は、國府臺の上、掛茶...
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  • タイトル: 山道
    著者: 中里介山
    出版社: ConTenDo
    概要:  大正十何年の五月、甲斐の国の塩山の駅から大菩薩峠に向って馬を進めて行く一人の旅人がありました。  中折の帽子をかぶって、脊広の洋服に糸楯、草鞋脚半といういでたちで頬かむりした馬子に馬の口を取らせて、塩山からほぼ、三里の大菩薩峠を目ざして行く時は前にいった通り陽春の五月、日はま... ...
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  • タイトル: 須磨明石
    著者: 長塚節
    出版社: ConTenDo
    概要: 蕎麥屋  須磨の浦を一の谷へ歩いて行く。 乾き切つた街道を埃がぬかる程深い、松の木は枝も葉も埃で煤が溜つたやうに見える、敦盛の墓の木蔭にはおしろいが草村をなしてびつしりと咲いて居る、柔かな葉はやつぱり埃が掛つて居るが、赤や黄の相交つた花には目立つて見えぬ、敦盛とおしろいの花と... ...
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  • タイトル: 武州喜多院
    著者: 中里介山
    出版社: ConTenDo
    概要:  これも五月のはじめ、郊外の新緑にひたろうと、ブラリ寓を出でて、西武線の下井草までバス、あれから今日の半日を伸せるだけのして見ようと駅で掲示を見る、この線の終点は川越駅になっている、発駅は高田馬場である、そこで六十何銭かを投じて川越駅までの切符を求めた。  特に川越を目的とする... ...
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  • タイトル: 対州厳原港にて
    著者: 長塚節
    出版社: ConTenDo
    概要:  對州へ渡るには博多から夜出て朝着く。 博多へ渡るにもさうである。 汽船は荷物を主にして居るのだから客少くして我々はみじめである。 何處へ行つても朝鮮といふことをいふ。 釜山なども對州の人が眞先に行つてそれから壹州の人間が行つて開いた相だ。 北の方へ行つて見ると面白相だが船は不便だし...
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  • タイトル: 弥彦山
    著者: 長塚節
    出版社: ConTenDo
    概要:  新潟の停車場を出ると列車の箱からまけ出された樣に人々はぞろ/\と一方へ向いて行く。 其あとへ跟いて行くとすぐに長大な木橋がある。 橋へかゝつてぶら/\と辿つて來ると古傘を手に提げた若者が余の側へ寄つて丁寧な辭儀をして新潟はどちらへお泊りですかと問うた。 彼は宿引であつたのだ。 何處と...
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  • タイトル: 霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ
    著者: 徳田秋声
    出版社: ConTenDo
    概要:  今年は何の意味にもハイキングに不適当である。 平原のハイキングならまだしもだが、少くとも山岳の多い日本でのハイキングに或る程度山へ入らなければ意味を成さないのに、今年のやうにかうじめ/\した秋霖が打続いたのでは、よほど運が好くなければハイキングの快味を満喫するといふ訳には行かない... ...
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  • タイトル: 日曜日から日曜日まで
    著者: 南部修太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  日曜日――。  明方四時頃例に依り輕い喘息發作に眼が覺める。 アストオル吸入で發作を鎭めて再び眠りに就いたが、この一ヶ月近く毎朝さうして眠りを中斷されるのは叶はない。 幸ひ重い發作に進まないので實際助かるが、明方のシインとした寢臺に自分の喘鳴と吸入操作のゴム球の音に一人耳を傾けて....
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  • タイトル: 雪の武石峠
    著者: 別所梅之助
    出版社: ConTenDo
    概要: 信濃町から  一時間たつかたたぬに、もう大晦日という冬の夜ふけの停車場、金剛杖に草鞋ばきの私たちを、登山客よと認めて、学生生活をすましたばかりの青年紳士が、M君に何かと話しかける。 「はじめて武石峠へゆくのです」とのM君の答に、青年紳士は、自分の経験からいろいろ注意を... ...
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  • タイトル: 考古学教室の思ひ出話
    著者: 浜田青陵
    出版社: ConTenDo
    概要:  明治四十二年史學科の組織が略ぼ出來上つた次の年の九月に、私は講師として始めて本學へやつて來たのでありますから、創立の際に關する事は一向私には分りませんので、たゞ考古學教室に關することだけに就いて少しく申上げることに致します。  東京帝國大學には理學部に人類學の講座があり、坪井... ...
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  • タイトル: シュリーマン夫人を憶ふ
    著者: 浜田青陵
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  トロイ、チリンス、ミケーネの發掘者、エーゲ文明復活の先驅、ハインリヒ・シュリーマン博士の歿後四十年、此の永久に記憶せらる可き考古學者の未亡人として、またアゼンスの交際社會の女王として「イリウー・メラトロン」の大主婦として、活躍せられてゐたソフイヤ夫... (本文冒頭より抜粋)
    商品価格: ¥0(税込)
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