いらっしゃいませ ゲスト様
»TOP > ジャンル別 > 文芸 > 紀行
Twitter  Facebook 

文芸 > 紀行

検索結果340件中271件から315件までを表示
≪前へページ:1.. 2  3  4  5  6  7  8次へ≫
  • タイトル: 湯ヶ原より
    著者: 国木田独歩
    出版社: ConTenDo
    概要:  内山君足下  何故そう急に飛び出したかとの君の質問は御尤である。 僕は不幸にして之を君に白状してしまはなければならぬことに立到つた。 然し或はこれが僕の幸であるかも知れない、たゞ僕の今の心は確かに不幸と感じて居るのである、これを幸であつたと知ることは今後のことであらう。 しかし將來....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 河口湖
    著者: 伊藤左千夫
    出版社: ConTenDo
    概要:  段ばしごがギチギチ音がする。 まもなくふすまがあく。 茶盆をふすまの片辺へおいて、すこぶるていねいにおじぎをした女は宿の娘らしい。 霜枯れのしずかなこのごろ、空もしぐれもようで湖水の水はいよいよおちついて見える。 しばらく客というもののなかったような宿のさびしさ。  娘は茶をつ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 気仙沼
    著者: 高村光太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  女川から気仙沼へ行く気で午後三時の船に乗る。 軍港の候補地だといふ女川湾の平和な、澄んだ海を飛びかふ海猫の群団が、網をふせた漁場のまはりにたかり、あの甘つたれた猫そつくりの声で鳴きかはしてゐる風景は珍重に値する。 湾外の出嶋の瀬戸にかかるとそこらの小嶋が海猫の群居でまつ白だ。 此鳥の....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 手紙
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要:  野田君  また惡いさうだね。 だから言はないこつちやない。 ぢつと寢てゐたまへ。 病氣はこつちで辛抱強く馴らしてやるがいいんだ。 一度馴れてしまつたら、こんなに可愛い奴はない。  池谷さんが死んだんでこれからお葬式に行くところだ。 時間が半端なので、いまコロンバンで、珈...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: エトランジェ
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要: 七月二十三日  夕方だのに汽車は大へん混んでゐた。 大部分は輕井澤へ行く人たちらしい。 私の前には「天國新聞」といふのを束にしてかかへてゐる牧師さんがひとり。 向隣りの席には、洋裝をした十九ぐらゐのお孃さんと、その連れらしいゴルフ服を着た中年の紳士の二人づれ。 その紳士はそのお孃さん...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 室生さんへの手紙
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要:  御高著「室生犀星詩集」(第一書房版)をお送り下さつて有難うございました。  私はいまこの雜誌からあなたに宛てた手紙の形式で何かあなたのことを書けと云はれ、丁度改造社版の「新選室生犀星集」を讀んでゐたところなので、あなたのさまざまな時代の作品のことを考へるには、最も適當な機会を... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 更級日記など
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要:  御質問にお答へするほど、日本の古典をよく讀んでゐませんので大變困りましたが、  一、僅かに讀んだものの中では、「更級日記」などが隨分好きです。 理由と云つても別にありませんが、彼女の小さな夢を彼女なりに切實に生きたらしい、この「更級日記」の作者などが、何となく僕には血縁のあるや... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 姨捨記
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要: 「更級日記」は私の少年の日からの愛讀書であつた。 いまだ夢多くして、異國の文學にのみ心を奪はれて居つたその頃の私に、或日この古い押し花のにほひのするやうな奧ゆかしい日記の話をしてくだすつたのは松村みね子さんであつた。 おそらく、その頃の私に忘れられがちな古い日本の女の姿をも見失はしめ......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 山日記その二
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要:  十月九日  こちらはもう秋が深い。 冬までゐられさうなことを言つてゐた川端さんも、これからずつと木曾をまはつて鎌倉へ歸ると、さきをとつひお別れに來られたが、たぶんけふあたりはその木曾を旅してゐられることだらう。 僕達はいまやりかけてゐる「續かげろふの日記」の仕上がるまでは頑張つて......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 絵はがき
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要: 一九三〇年八月十七日、K村にて  僕がホテルのベッドに横になつて、讀書をしてゐたら、窓から、向日葵の奴がしきりにそれをのぞきこむのだ。  どうもうるさくつてしかたがない。  そこで僕は立ち上つていつて、窓をしめてきてやつた。  うすぐらくなる。 本なんか讀んでゐるよりは晝...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 雨後
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要: 六月二十日  これでもう山小屋に雨に降りこめられてゐること一週間。 ――「雨の輕井澤もまたいいです」などと友達に手紙を書いてゐた女房も、きのふあたりから少し氣が變になつてゐはしないかと思ふ位。  ――何しろ、樅の木なんぞの多い山のなかの一軒家だものだから、雨の音が騷がしいほど大......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 本所両国
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要: 大溝  僕は本所界隈のことをスケッチしろという社命を受け、同じ社のO君と一しょに久振りに本所へ出かけて行った。 今その印象記を書くのに当り、本所両国と題したのは或は意味を成していないかも知れない。 しかしなぜか両国は本所区のうちにあるものの、本所以外の土地の空気も漂っていること......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 軍艦金剛航海記
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  暑いフロックを夏の背廣に着換へて外の連中と一しよに上甲板へ出てゐると、年の若い機關少尉が三人やつて來て、いろんな話をしてくれた。 僕は新米だから三人とも初對面だが、外の連中は皆、教室で一度は講義を聞かせた事のある間柄である。 だから、僕は圈外に立つておとなしく諸君子の話を......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 白帝城
    著者: 北原白秋
    出版社: ConTenDo
    概要: 「ほら、あれがお城だよ。」  私は振り返つた。 私の後ろからは円い麦稈帽に金と黒とのリボンをひらひらさして、白茶の背広は濃い花色のネクタイを結んだ、やつと五歳と四ヶ月の幼年紳士がとても潔よく口をへの字に引き緊めて、しかもゆたりゆたりと歩いてゐた。 地蔵眉の眼が大きく、汗がぢりぢりと......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 新橋
    著者: 北原白秋
    出版社: ConTenDo
    概要:  私が東京に着いて一番に鋭く感じたのは新橋停車場の匂でした。 門司ではバナナや鳳梨の匂を嗅ぎながら税関の前に出るとすぐ煤烟のなかを小蒸汽に乗つて関門海峡を渡つたので都会と云ふ印象よりも殖民地といふ感が強かつた、究竟、都会としての歴史や奥行といふものがなく出口と入口とが同一になつてゐ... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 雀こ
    著者: 太宰治
    出版社: ConTenDo
    概要: 長え長え昔噺、知らへがな。 山の中に橡の木いっぽんあったずおん。 そのてっぺんさ、からす一羽来てとまったずおん。 からすあ、があて啼けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。 また、からすあ、があて啼けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。 また、からすあ、があ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: わが半生を語る
    著者: 太宰治
    出版社: ConTenDo
    概要:      生い立ちと環境  私は田舎のいわゆる金持ちと云われる家に生れました。 たくさんの兄や姉がありまして、その末ッ子として、まず何不自由なく育ちました。 その為に世間知らずの非常なはにかみやになって終いました。 この私のはにかみが何か他人からみると自分がそれを誇っているように見ら....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 悶悶日記
    著者: 太宰治
    出版社: ConTenDo
    概要:  月 日。  郵便受箱に、生きている蛇を投げ入れていった人がある。 憤怒。 日に二十度、わが家の郵便受箱を覗き込む売れない作家を、嘲っている人の為せる仕業にちがいない。 気色あしくなり、終日、臥床。  月 日。  苦悩を売物にするな、と知人よりの書簡あり。  月 ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 佐渡
    著者: 太宰治
    出版社: ConTenDo
    概要:  おけさ丸。 総噸数、四百八十八噸。 旅客定員、一等、二十名。 二等、七十七名。 三等、三百二名。 賃銀、一等、三円五十銭。 二等、二円五十銭。 三等、一円五十銭。 粁程、六十三粁。 新潟出帆、午後二時。 佐渡夷着、午後四時四十五分の予定。 速力、十五節。 何しに佐渡へ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 解かれた象
    著者: 寺田寅彦
    出版社: ConTenDo
    概要:  上野の動物園の象が花屋敷へ引っ越して行って、そこで既往何十年とかの間縛られていた足の鎖を解いてもらって、久しぶりでのそのそと檻の内を散歩している、という事である。 話を聞くだけでもなんだかいい気持ちである。 肩の凝りが解けたような気がする。  事実はよくわからないが、伝うるところ....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 土佐日記
    著者: 紀貫之
    出版社: ConTenDo
    概要: 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。 それの年(承平四年)のしはすの二十日あまり一日の、戌の時に門出す。 そのよしいさゝかものにかきつく。 ある人縣の四年五年はてゝ例のことゞも皆しをへて、解由など取りて住むたちより出でゝ船に乘るべき所へわたる。 かれこれ知る知らぬおく...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 秋の筑波山
    著者: 大町桂月
    出版社: ConTenDo
    概要:  一 関城の趾 東京の人士、若し土曜日より泊りがけにて山に上らむとならば、余は先づ筑波登山を提出せむとする也。  上野より水戸線に由りて、土浦まで汽車にて二時間半、土浦より北条まで四里、馬車にて二時間、北条より筑波町まで一里、徒歩して一時間、都合六時間以内の行程、これ東京より... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 落合町山川記
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要: 遠き古里の山川を 思ひ出す心地するなり  私は、和田堀の妙法寺の森の中の家から、堰のある落合川のそばの三輪の家に引越しをして来た時、はたきをつかいながら、此様なうたを思わずくちずさんだものであった。 この堰の見える落合の窪地に越して来たのは、尾崎翠さんという非常にいい小説を... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 外遊熱
    著者: 岸田国士
    出版社: ConTenDo
    概要:  外国へ行つて勉強したいといふ青年が、近頃非常に多い。 ちよつと流行心理のやうな一面もなくはないが、しかし、それ以上に、なにか止み難い要求が必然的に湧きあがつてゐるやうにみえる。  曾つての時代にも、いはゆる洋行熱と称せられたもの、猫も杓子も西洋を廻つて来さへすれば、いつぱし大き......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 懐疑的宣言
    著者: 岸田国士
    出版社: ConTenDo
    概要:  この二三年来、私の読んだもののうちで、ジユウル・ルナアルの日記ほど、私の心を動かしたものはない。  私は決して、彼を所謂「偉大な作家」だと思つてはゐなかつた。 しかし、これほどまでに「人間の小ささ」を悉く具へてゐる男だとも思はなかつた。 私はこの日記を繙くに当つて、忽ち眉を寄せ、....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 日記について
    著者: 岸田国士
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は日記をつけない。 なぜつけないかと訊かれると、返事に困るが、どうもつける気がしない。 それでも今までに、つけてゐたらよかつたと思ふことは思ふ。 すると、結局、私の中に、日記をつけたくてもつけさせない何ものかがあるのか、または、つけないではゐさせないやうな何ものかが欠けてゐるのであ....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 蒲原有明に帰れ
    著者: 萩原朔太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  僕、先月末出京しました。 東京は我があこがれの都。 雪のふる夜も青猫の屋根を這ふ大都会。 いまは工場と工場との露地の間、職工の群がつてゐる煤煙の街に住んでゐます。 黒い煤煙と煉瓦の家の並んでゐる或る貧乏なまづしい長屋に、僕等親子四人が悲しい生活をしてゐます。 どうにかしてパンの食へ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: チロルの旅
    著者: 岸田国士
    出版社: ConTenDo
    概要: ヴェロナ  なるほど、………………………………。  これがロメオとジュリエットの墓だな。 大理石の棺には蓋がない。 名刺がいつぱい投げ込んである。  シェイクスピイヤの胸像が黒い蔦の葉の間からのぞいてゐる。  そこで、絵はがきを売つてゐる。 トレント ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 倫敦の一夜
    著者: 岡本綺堂
    出版社: ConTenDo
    概要:  六月二十八日の午後六時、ハイド・パークの椅子によりながら講和条約調印の号砲を聞いた。 号砲は池のほとりで一発又一発とつづけて打ち出されるので、黄い烟が青い木立のあいだを迸り出て、陰った空の下に低く消えてゆくのが眼の前にみえる。 一隊ごとに思い思いのユニフォームを着けた少年軍が、太鼓......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 栗の花
    著者: 岡本綺堂
    出版社: ConTenDo
    概要:  栗の花、柿の花、日本でも初夏の景物にはかぞえられていますが、俳味に乏しい我々は、栗も柿もすべて秋の梢にのみ眼をつけて、夏のさびしい花にはあまり多くの注意を払っていませんでした。 秋の木の実を見るまでは、それらは殆ど雑木に等しいもののように見なしていましたが、その軽蔑の眼は欧州大陸... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 雪の日
    著者: 岡本かの子
    出版社: ConTenDo
    概要:  伯林カイザー街の古い大アパートに棲んで居た冬のことです。 外には雪が降りに降っていました。 内では天井に大煙突の抜けているストーヴでどんどん薪をくべていました。 電車の地響と自動車の笛の音ばかりで、街には犬も声を立てて居ない、積雪に静まり返った真昼時でした。 玄関の扉をはげしく叩く音...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 伯林の降誕祭
    著者: 岡本かの子
    出版社: ConTenDo
    概要:  独逸でのクリスマスを思い出します。  雪が絶間もなく、チラチラチラチラと降って居るのが、ベルリンで見て居た冬景色です。 街路樹の菩提樹の葉が、黄色の吹雪を絶えずサラサラサラ撒きちらして居た。 それが終ると立樹の真黒な枝を突張った林立となる。 雪がもう直ぐに来るのです――そしてクリ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 伯林の落葉
    著者: 岡本かの子
    出版社: ConTenDo
    概要:  彼が公園内に一歩をいれた時、彼はまだ正気だった。  伯林にちらほら街路樹の菩提樹の葉が散り初めたのは十日程前だった。 三四日前からはそれが実におびただしい速度と量を増して来た。 公園は尚更、黄褐色の大渦巻きだった。 彼は、始め街をしばらく歩いて居た。 こまかい菩提樹の葉が粉のよ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 巴里の唄うたい
    著者: 岡本かの子
    出版社: ConTenDo
    概要:     彼等の決議  市会議員のムッシュウ・ドュフランははやり唄は嫌いだ。 聴いていると馬鹿らしくなる。 あんな無意味なものを唄い歩いてよくも生活が出来るものだ。 本当に生活が出来るのかしら――こう疑い始めたのが縁で却ってだんだん唄うたいの仲間と馴染が出来てしまった。 それに彼の...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 札幌まで
    著者: 寺田寅彦
    出版社: ConTenDo
    概要:  九月二十九日。 二時半上野発。 九時四十三分仙台着。 一泊。 翌朝七時八分青森行に乗る。  仙台以北は始めての旅だから、例により陸地測量部二十万分の一の地図を拡げて車窓から沿路の山水の詳細な見学をする。 北上川沿岸の平野には稲が一面に実って、もう刈入れるばかりになっているよう...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 浅間山麓より
    著者: 寺田寅彦
    出版社: ConTenDo
    概要:  真夏の正午前の太陽に照りつけられた関東平野の上には、異常の熱量と湿気とを吸込んだ重苦しい空気が甕の底のおりのように層積している。 その層の一番どん底を潜って喘ぎ喘ぎ北進する汽車が横川駅を通過して碓氷峠の第一トンネルにかかるころには、もうこの異常高温層の表面近く浮かみ上がって、乗客... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 書簡(Ⅰ)
    著者: 寺田寅彦
    出版社: ConTenDo
    概要:  拝復。 島木さんの事について何か書くようにとの御手紙を頂きましたので、考えてはみましたが、私は同氏から稀に御手紙は頂戴しておりましたものの、御目にかかったのは前後にただ一度だけ、それも宴会の席上でちょっと御挨拶をしたばかりでありまして、同氏の追憶と云っては別段に申上げるほどの資格... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 書簡(Ⅱ)
    著者: 寺田寅彦
    出版社: ConTenDo
    概要:  拝復。 始終『アララギ』を送って頂いておりながらほんの時々しか読んでいないので甚だすまない気がしております。 今度二十五周年記念号を出すので何か書くようとの懇篤な御すすめがありましたので何かと考えてみましたが右様の次第でありますからほとんど何も申上げる材料はないのでありますが、せっ......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 東上記
    著者: 寺田寅彦
    出版社: ConTenDo
    概要:  八月二十六日床を出でて先ず欄干に倚る。 空よく晴れて朝風やゝ肌寒く露の小萩のみだれを吹いて葉鶏頭の色鮮やかに穂先おおかた黄ばみたる田面を見渡す。 薄霧北の山の根に消えやらず、柿の実撒砂にかちりと音して宿夢拭うがごとくにさめたり。 しばらくの別れを握手に告ぐる妻が鬢の後れ毛に風ゆらぎて....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 異郷
    著者: 寺田寅彦
    出版社: ConTenDo
    概要:       ウェルダアの桜  大きな河かと思うような細長い湖水を小蒸気で縦に渡って行った。 古い地質時代にヨーロッパの北の半分を蔽っていた氷河が退いて行って、その跡に出来た砂原の窪みに水の溜ったのがこの湖とこれに連なる沢山の湖水だそうである。 水は沈鬱に濁っている。 変化の少ない....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 南予枇杷行
    著者: 河東碧梧桐
    出版社: ConTenDo
    概要:  上り約三里もある犬寄峠を越えると、もう鼻柱80を摩する山びやうぶの中だ。 町の名も中山。  一つの山にさきさかつてゐる栗の花、成程、秋になるとよくこゝから栗を送つてくる。 疾走する車の中でも、ある腋臭を思はせる鼻腔をそゝる臭ひがする。 栗の花のにほひは、山中にあつてのジャズ臭、性...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 大和路・信濃路
    著者: 堀辰雄
    出版社: ConTenDo
    概要: 樹下  その藁屋根の古い寺の、木ぶかい墓地へゆく小径のかたわらに、一体の小さな苔蒸した石仏が、笹むらのなかに何かしおらしい姿で、ちらちらと木洩れ日に光って見えている。 いずれ観音像かなにかだろうし、しおらしいなどとはもってのほかだが、――いかにもお粗末なもので、石仏といっ... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 惨めな文学的環境
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  昨夜あなたは田中英光のことを近々書くといっていたが、直接面識のあったあなたの書くものは面白いだろうと期待しています。 彼の死は何という悲惨な日本文化の象徴でしょう、どうも惨めなのはひとり英光だけでなく、これはほとんどわれ/\文筆業者全体の置かれている惨めさではないかと思います。 恐......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: ある手紙
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要: 佐々木基一様  御手紙なつかしく拝見しました。 あなたから手紙をいただいたり、そのまた御返事をこうして書くのも、思えばほんとに久振りです。 空襲の激しかった頃には私はよくあなたやほかの友人に、いつ着くかあてもない手紙を、何の意味もない手紙を、重たい気分で、しかも書かないではいら......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 震災日記より
    著者: 寺田寅彦
    出版社: ConTenDo
    概要: 大正十二年八月二十四日 曇、後驟雨  子供等と志村の家へ行った。 崖下の田圃路で南蛮ぎせるという寄生植物を沢山採集した。 加藤首相痼疾急変して薨去。 八月二十五日 晴  日本橋で散弾二斤買う。 ランプの台に入れるため。 八月二十六日 曇、夕方雷雨  月蝕雨で見え...
    商品価格: ¥0(税込)
≪前へページ:1.. 2  3  4  5  6  7  8次へ≫

コンテンツフィルタ

"購入可能なコンテンツ"はご利用端末で購入いただけるコンテンツのみを表示します。

設定をリセット

電子書籍サイト[ConTenDo|コンテン堂]はコンテンツの交差点となるプレイスを目指して様々な良いコンテンツを展開します。
電子書籍にとどまらず映像、画像なども取り扱います。話題のEPUBおよびPDF形式を揃えています。

レコードやCDを『ジャケ買い』ってしませんでしたか?
ジャケットがグッドデザインだと買ってしまったりする購買行動のことです。
コンテン堂では、表紙が一番魅力的に見えるようにサイト・デザインされています。
電子書籍も『ジャケ買い』は素敵なコンテンツとの出会い方法としてもオススメです。

電子書籍を探すときはタイトルや著者名がわからないと結構探しにくいものです。コンテン堂は『ワードサーフィン』というまったく新しい本探しメソッドを提案しています。思ってもいなかった『本との出会い』をお楽しみ下さい。