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夏目漱石

検索結果102件中46件から90件までを表示
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  • タイトル: 落第
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  其頃東京には中学と云うものが一つしか無かった。 学校の名もよくは覚えて居ないが、今の高等商業の横辺りに在って、僕の入ったのは十二三の頃か知ら。 何でも今の中学生などよりは余程小さかった様な気がする。 学校は正則と変則とに別れて居て、正則の方は一般の普通学をやり、変則の方では英語を重に....
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  • タイトル: 余と万年筆
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  此間魯庵君に会った時、丸善の店で一日に万年筆が何本位売れるだろうと尋ねたら、魯庵君は多い時は百本位出るそうだと答えた。 夫では一本の万年筆がどの位長く使えるだろうと聞いたら、此間横浜のもので、ペンはまだ可なりだが、軸が減ったから軸丈易えて呉れと云って持って来たのがあるが、此人は十... ...
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  • タイトル: 元日
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  元日を御目出たいものと極めたのは、一体何処の誰か知らないが、世間が夫れに雷同しているうちは新聞社が困る丈である。 雑録でも短篇でも小説でも乃至は俳句漢詩和歌でも、苟くも元日の紙上にあらわれる以上は、いくら元日らしい顔をしたって、元日の作でないに極っている。 尤も師走に想像を逞しくし......
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  • タイトル: 入社の辞
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  大学を辞して朝日新聞に這入ったら逢う人が皆驚いた顔をして居る。 中には何故だと聞くものがある。 大決断だと褒めるものがある。 大学をやめて新聞屋になる事が左程に不思議な現象とは思わなかった。 余が新聞屋として成功するかせぬかは固より疑問である。 成功せぬ事を予期して十余年の径路を一...
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  • タイトル: 『吾輩は猫である』下篇自序
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: 「猫」の下巻を活字に植えて見たら頁が足りないから、もう少し書き足してくれと云う。 書肆は「猫」を以て伸縮自在と心得て居るらしい。 いくら猫でも一旦甕へ落ちて往生した以上は、そう安っぽく復活が出来る訳のものではない。 頁が足らんからと云うて、おいそれと甕から這い上る様では猫の沽券にも関わ....
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  • タイトル: 『吾輩は猫である』中篇自序
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: 「猫」の稿を継ぐときには、大抵初篇と同じ程な枚数に筆を擱いて、上下二冊の単行本にしようと思って居た。 所が何かの都合で頁が少し延びたので書肆は上中下にしたいと申出た。 其辺は営業上の関係で、著作者たる余には何等の影響もない事だから、それも善かろうと同意して、先ず是丈を中篇として発行す......
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  • タイトル: 木下杢太郎『唐草表紙』序
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は貴方から送って下さった校正刷五百八十頁を今日漸く読み了りました。 漸くというと厭々読んだように聞こえるかも知れませんが、決してそんな訳ではないのです。 多大の興味ばかりか、其興味に伴う利益をも受けながら、楽しく読み了ったのです。 実をいうと私の都合もあり、又活字組込の関係もありし....
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  • タイトル: 岡本一平著並画『探訪画趣』序
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は朝日新聞に出るあなたの描いた漫画に多大な興味を有っている一人であります。 いつか社の鎌田君に其話をして、あれなりにして捨ててしまうのは惜しいものだ、今のうちに纏めて出版したら可かろうにと云った事があります。 其後あなた自身が見えた時、私はあなたに自分の描いたものはみんな保存して......
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  • タイトル: 高浜虚子著『鶏頭』序
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  小説の種類は分け方で色々になる。 去ればこそ今日迄西洋人の作った作物を西洋人が評する場合に、便宜に応じて沢山な名をつけている。 傾向小説、理想小説、浪漫派小説、写実派小説、自然派小説抔と云うのは、皆在来の述作を材料として、其著るしき特色を認めるに従って之を分類した迄である。 種類は是....
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  • タイトル: 学者と名誉
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  木村項の発見者木村博士の名は驚くべき速力を以て旬日を出ないうちに日本全国に広がった。 博士の功績を表彰した学士会院とその表彰をあくまで緊張して報道する事を忘れなかった都下の各新聞は、久しぶりにといわんよりはむしろ初めて、純粋の科学者に対して、政客、軍人、及び実業家に譲らぬ注意を一... ...
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  • タイトル: 博士問題の成行
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  二月二十一日に学位を辞退してから、二カ月近くの今日に至るまで、当局者と余とは何らの交渉もなく打過ぎた。 ところが四月十一日に至って、余は図らずも上田万年、芳賀矢一二博士から好意的の訪問を受けた。 二博士が余の意見を当局に伝えたる結果として、同日午後に、余はまた福原専門学務局長の来訪......
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  • タイトル: マードック先生の『日本歴史』
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:        上  先生は約の如く横浜総領事を通じてケリー・エンド・ウォルシから自著の『日本歴史』を余に送るべく取り計われたと見えて、約七百頁の重い書物がその後日ならずして余の手に落ちた。 ただしそれは第一巻であった。 そうして巻末に明治四十三年五月発行と書いてあるので、余は始......
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  • タイトル: 虚子君へ
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  昨日は失敬。 こう続けざまに芝居を見るのは私の生涯において未曾有の珍象ですが、私が、私に固有な因循極まる在来の軌道をぐれ出して、ちょっとでも陽気な御交際をするのは全くあなたのせいですよ。 それにも飽き足らず、この上相撲へ連れて行って、それから招魂社の能へ誘うと云うんだから、あなたは......
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  • タイトル: 明治座の所感を虚子君に問れて
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: ○虚子に誘われて珍らしく明治座を見に行った。 芝居というものには全く無知無識であるから、どんな印象を受けるか自分にもまるで分らなかった。 虚子もそこが聞きたいので、わざわざ誘ったのである。 もっとも幼少の頃は沢村田之助とか訥升とかいう名をしばしば耳にした事を覚えている。 それから猿若町...
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  • タイトル: 文壇の趨勢
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  近頃は大分方々の雑誌から談話をしろしろと責められて、頭ががらん胴になったから、当分品切れの看板でも懸けたいくらいに思っています。 現に今日も一軒断わりました。 向後日本の文壇はどう変化するかなどという大問題はなかなか分りにくい。 いわんや二三日前まで『文学評論』の訂正をしていて、頭が....
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  • タイトル: 田山花袋君に答う
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  本月の「趣味」に田山花袋君が小生に関してこんな事を云われた。 ――「夏目漱石君はズーデルマンの『カッツェンステッヒ』を評して、そのますます序を逐うて迫り来るがごとき点をひどく感服しておられる。 氏の近作『三四郎』はこの筆法で往くつもりだとか聞いている。 しかし云々」  小生はいまだ....
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  • タイトル: 戦争からきた行き違い
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  十一日の夜床に着いてからまもなく電話口へ呼び出されて、ケーベル先生が出発を見合わすようになったという報知を受けた。 しかしその時はもう「告別の辞」を社へ送ってしまったあとなので私はどうするわけにもいかなかった。 先生がまだ横浜のロシアの総領事のもとに泊まっていて、日本を去ることので......
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  • タイトル: イズムの功過
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  大抵のイズムとか主義とかいうものは無数の事実を几帳面な男が束にして頭の抽出へ入れやすいように拵えてくれたものである。 一纏めにきちりと片付いている代りには、出すのが臆劫になったり、解くのに手数がかかったりするので、いざという場合には間に合わない事が多い。 大抵のイズムはこの点におい......
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  • タイトル: 『東洋美術図譜』
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  偉大なる過去を背景に持っている国民は勢いのある親分を控えた個人と同じ事で、何かに付けて心丈夫である。 あるときはこの自覚のために驕慢の念を起して、当面の務を怠ったり未来の計を忘れて、落ち付いている割に意気地がなくなる恐れはあるが、成上りものの一生懸命に奮闘する時のように、齷齪とこ... ...
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  • タイトル: 正岡子規
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  正岡の食意地の張った話か。 ハヽヽヽ。 そうだなあ。 なんでも僕が松山に居た時分、子規は支那から帰って来て僕のところへ遣って来た。 自分のうちへ行くのかと思ったら、自分のうちへも行かず親族のうちへも行かず、此処に居るのだという。 僕が承知もしないうちに、当人一人で極めて居る。 御...
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  • タイトル: 僕の昔
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  根津の大観音に近く、金田夫人の家や二弦琴の師匠や車宿や、ないし落雲館中学などと、いずれも『吾輩は描である』の編中でなじみ越しの家々の間に、名札もろくにはってない古べいの苦沙弥先生の居は、去年の暮れおしつまって西片町へ引き越された。 君、こんどの僕の家は二階があるよと丸善の手代みた... ...
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  • タイトル: 模倣と独立
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  今日は図らず御招きに預りまして突然参上致しました次第でありますが、私は元この学校で育った者で、私にとってはこの学校は大分縁故の深い学校であります。 にもかかわらず、今日までこういう、即ち弁論部の御招待に預って、諸君の前に立った事は御座いませんでした。 尤も御依頼も御座いませんでした......
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  • タイトル: 一夜
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: 「美くしき多くの人の、美くしき多くの夢を……」と髯ある人が二たび三たび微吟して、あとは思案の体である。 灯に写る床柱にもたれたる直き背の、この時少しく前にかがんで、両手に抱く膝頭に険しき山が出来る。 佳句を得て佳句を続ぎ能わざるを恨みてか、黒くゆるやかに引ける眉の下より安からぬ眼の色......
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  • タイトル: 琴のそら音
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: 「珍らしいね、久しく来なかったじゃないか」と津田君が出過ぎた洋灯の穂を細めながら尋ねた。  津田君がこう云った時、余ははち切れて膝頭の出そうなズボンの上で、相馬焼の茶碗の糸底を三本指でぐるぐる廻しながら考えた。 なるほど珍らしいに相違ない、この正月に顔を合せたぎり、花盛りの今日ま......
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  • タイトル: カーライル博物館
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  公園の片隅に通りがかりの人を相手に演説をしている者がある。 向うから来た釜形の尖った帽子を被ずいて古ぼけた外套を猫背に着た爺さんがそこへ歩みを佇めて演説者を見る。 演説者はぴたりと演説をやめてつかつかとこの村夫子のたたずめる前に出て来る。 二人の視線がひたと行き当る。 演説者は濁りた...
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  • タイトル: 三四郎
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  うとうととして目がさめると女はいつのまにか、隣のじいさんと話を始めている。 このじいさんはたしかに前の前の駅から乗ったいなか者である。 発車まぎわに頓狂な声を出して駆け込んで来て、いきなり肌をぬいだと思ったら背中にお灸のあとがいっぱいあったので、三四郎の記憶に残っている。 ....
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  • タイトル: 作物の批評
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  中学には中学の課目があり、高等学校には高等学校の課目があって、これを修了せねば卒業の資格はないとしてある。 その課目の数やその按排の順は皆文部省が制定するのだから各担任の教師は委託をうけたる学問をその時間の範囲内において出来得る限りの力を尽すべきが至当と云わねばならぬ。  しか......
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  • タイトル: 野分
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:         一  白井道也は文学者である。  八年前大学を卒業してから田舎の中学を二三箇所流して歩いた末、去年の春飄然と東京へ戻って来た。 流すとは門附に用いる言葉で飄然とは徂徠に拘わらぬ意味とも取れる。 道也の進退をかく形容するの適否は作者といえども受合わぬ。 縺れたる...
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  • タイトル: 吾輩は猫である
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  吾輩は猫である。 名前はまだ無い。  どこで生れたかとんと見当がつかぬ。 何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。 吾輩はここで始めて人間というものを見た。 しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。 この書生とい... ...
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  • タイトル: 博士問題とマードック先生と余
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:        上  余が博士に推薦されたという報知が新聞紙上で世間に伝えられたとき、余を知る人のうちの或者は特に書を寄せて余の栄選を祝した。 余が博士を辞退した手紙が同じく新聞紙上で発表されたときもまた余は故旧新知もしくは未知の或ものからわざわざ賛成同情の意義に富んだ書状を幾... ...
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  • タイトル: 無題
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  私はこの学校は初めてで――エー来るのは初めてだけれども、御依頼を受けたのは決して初めてではありません。 二、三年前、田中さんから頼まれたのです。 その頃頼みに来て下さった方はもう御卒業なさったでしょう。 それ以来十数回の御依頼を受けましたが、みんな御断りしました。 断るのが面白いから...
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  • タイトル: 三山居士
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  二月二十八日には生暖たかい風が朝から吹いた。 その風が土の上を渡る時、地面は一度に濡れ尽くした。 外を歩くと自分の踏む足の下から、熱に冒された病人の呼息のようなものが、下駄の歯に蹴返されるごとに、行く人の眼鼻口を悩ますべく、風のために吹き上げられる気色に見えた。 家へ帰って護謨合羽を....
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  • タイトル: 明暗
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:         一  医者は探りを入れた後で、手術台の上から津田を下した。 「やっぱり穴が腸まで続いているんでした。 この前探った時は、途中に瘢痕の隆起があったので、ついそこが行きどまりだとばかり思って、ああ云ったんですが、今日疎通を好くするために、そいつをがりがり掻き落し......
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  • タイトル: 幻影の盾
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  一心不乱と云う事を、目に見えぬ怪力をかり、縹緲たる背景の前に写し出そうと考えて、この趣向を得た。 これを日本の物語に書き下さなかったのはこの趣向とわが国の風俗が調和すまいと思うたからである。 浅学にて古代騎士の状況に通ぜず、従って叙事妥当を欠き、描景真相を失する所が多かろう、読者の......
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  • タイトル: 教育と文芸
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は思いがけなく前から当地の教育会の御招待を受けました。 凡そ一カ月前に御通知がありましたが、私は、その時になって見なければ、出られるか出られぬか分らぬために、直にお答をすることが出来ませんでした。 しかし、御懇切の御招待ですから義理にもと思いまして体だけ出懸けて参りました。 別に面....
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  • タイトル: 京に着ける夕
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  汽車は流星の疾きに、二百里の春を貫いて、行くわれを七条のプラットフォームの上に振り落す。 余が踵の堅き叩きに薄寒く響いたとき、黒きものは、黒き咽喉から火の粉をぱっと吐いて、暗い国へ轟と去った。  たださえ京は淋しい所である。 原に真葛、川に加茂、山に比叡と愛宕と鞍馬、ことごとく昔....
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  • タイトル: 草枕
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  山路を登りながら、こう考えた。  智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とかくに人の世は住みにくい。  住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。 どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。  人の世を...
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  • タイトル: 行人
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:      友達         一  梅田の停車場を下りるや否や自分は母からいいつけられた通り、すぐ俥を雇って岡田の家に馳けさせた。 岡田は母方の遠縁に当る男であった。 自分は彼がはたして母の何に当るかを知らずにただ疎い親類とばかり覚えていた。  大阪へ下りるとすぐ....
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  • タイトル: 坑夫
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  さっきから松原を通ってるんだが、松原と云うものは絵で見たよりもよっぽど長いもんだ。 いつまで行っても松ばかり生えていていっこう要領を得ない。 こっちがいくら歩行たって松の方で発展してくれなければ駄目な事だ。 いっそ始めから突っ立ったまま松と睨めっ子をしている方が増しだ。  東京を...
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  • タイトル: こころ
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要: 上 先生と私 一  私はその人を常に先生と呼んでいた。 だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。 これは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。 私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。 筆を執っても心持は同...
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  • タイトル: 私の個人主義
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:     ――大正三年十一月二十五日学習院輔仁会において述――  私は今日初めてこの学習院というものの中に這入りました。 もっとも以前から学習院は多分この見当だろうぐらいに考えていたには相違ありませんが、はっきりとは存じませんでした。 中へ這入ったのは無論今日が初めてでございます......
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  • タイトル: ケーベル先生の告別
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  ケーベル先生は今日(八月十二日)日本を去るはずになっている。 しかし先生はもう二、三日まえから東京にはいないだろう。 先生は虚儀虚礼をきらう念の強い人である。 二十年前大学の招聘に応じてドイツを立つ時にも、先生の気性を知っている友人は一人も停車場へ送りに来なかったという話である。 先...
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  • タイトル: ケーベル先生
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  木の葉の間から高い窓が見えて、その窓の隅からケーベル先生の頭が見えた。 傍から濃い藍色の煙が立った。 先生は煙草を呑んでいるなと余は安倍君に云った。  この前ここを通ったのはいつだか忘れてしまったが、今日見るとわずかの間にもうだいぶ様子が違っている。 甲武線の崖上は角並新らしい立...
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  • タイトル: 薤露行
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  世に伝うるマロリーの『アーサー物語』は簡浄素樸という点において珍重すべき書物ではあるが古代のものだから一部の小説として見ると散漫の譏は免がれぬ。 まして材をその一局部に取って纏ったものを書こうとすると到底万事原著による訳には行かぬ。 従ってこの篇の如きも作者の随意に事実を前後したり......
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  • タイトル: 人生
    著者: 夏目漱石
    出版社: ConTenDo
    概要:  空を劃して居る之を物といひ、時に沿うて起る之を事といふ、事物を離れて心なく、心を離れて事物なし、故に事物の変遷推移を名づけて人生といふ、猶麕身牛尾馬蹄のものを捉へて麟といふが如し、かく定義を下せば、頗る六つかしけれど、是を平仮名にて翻訳すれば、先づ地震、雷、火事、爺の怖きを悟り... ...
    商品価格: ¥0(税込)
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