夏目漱石
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タイトル: コンラッドの描きたる自然について出版社: ConTenDo概要: 一月二十七日の読売新聞で日高未徹君は、余の国民記者に話した、コンラッドの小説は自然に重きをおき過ぎるの結果主客顛倒の傾があると云う所見を非難せられた。 日高君の説によると、コンラッドは背景として自然を用いたのではない、自然を人間と対等に取扱ったのである、自然の活動が人間の活... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 変な音出版社: ConTenDo概要: 上 うとうとしたと思ううちに眼が覚めた。 すると、隣の室で妙な音がする。 始めは何の音ともまたどこから来るとも判然した見当がつかなかったが、聞いているうちに、だんだん耳の中へ纏まった観念ができてきた。 何でも山葵おろしで大根かなにかをごそごそ擦っているに違ない。 自分は確にそう...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 長谷川君と余出版社: ConTenDo概要: 長谷川君と余は互に名前を知るだけで、その他には何の接触もなかった。 余が入社の当時すらも、長谷川君がすでにわが朝日の社員であるという事を知らなかったように記憶している。 それを知り出したのは、どう云う機会であったか今は忘却してしまった。 とにかく入社してもしばらくの間は顔を合わせずに....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 硝子戸の中出版社: ConTenDo概要: 一 硝子戸の中から外を見渡すと、霜除をした芭蕉だの、赤い実の結った梅もどきの枝だの、無遠慮に直立した電信柱だのがすぐ眼に着くが、その他にこれと云って数え立てるほどのものはほとんど視線に入って来ない。 書斎にいる私の眼界は極めて単調でそうしてまた極めて狭いのである。 その......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 現代日本の開化出版社: ConTenDo概要: はなはだお暑いことで、こう暑くては多人数お寄合いになって演説などお聴きになるのは定めしお苦しいだろうと思います。 ことに承れば昨日も何か演説会があったそうで、そう同じ催しが続いてはいくらあたらない保証のあるものでも多少は流行過の気味で、お聴きになるのもよほど御困難だろうと御察し申... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 道楽と職業出版社: ConTenDo概要: ただいまは牧君の満洲問題――満洲の過去と満洲の未来というような問題について、大変条理の明かな、そうして秩序のよい演説がありました。 そこで牧君の披露に依ると、そのあとへ出る私は一段と面白い話をするというようになっているが、なかなか牧君のように旨くできませぬ。 ことに秩序が無かろうと......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 文芸と道徳出版社: ConTenDo概要: 私はこの大阪で講演をやるのは初めてであります。 またこういう大勢の前に立つのも初めてであります。 実は演説をやるつもりではない、むしろ講義をする気で来たのですが、講義と云うものはこんな多人数を相手にする性質のものでありません。 これだけの聴衆全体に通るような声を出そうとすれば――第一....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 文芸の哲学的基礎出版社: ConTenDo概要: 東京美術学校文学会の開会式に一場の講演を依頼された余は、朝日新聞社員として、同紙に自説を発表すべしと云う条件で引き受けた上、面倒ながらその速記を会長に依頼した。 会長は快よく承諾されて、四五日の後丁寧なる口上を添えて、速記を余のもとに送付された。 見ると腹案の不充分であったためか、......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 文芸委員は何をするか出版社: ConTenDo概要: 上 政府が官選文芸委員の名を発表するの日は近きにありと伝えられている。 何人が進んでその嘱に応ずるかは余の知る限りでない。 余はただ文壇のために一言して諸君子の一考を煩わしたいと思うだけである。 政府はある意味において国家を代表している。 少くとも国家を代表...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 文鳥出版社: ConTenDo概要: 十月早稲田に移る。 伽藍のような書斎にただ一人、片づけた顔を頬杖で支えていると、三重吉が来て、鳥を御飼いなさいと云う。 飼ってもいいと答えた。 しかし念のためだから、何を飼うのかねと聞いたら、文鳥ですと云う返事であった。 文鳥は三重吉の小説に出て来るくらいだから奇麗な鳥に違なか...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 坊っちゃん出版社: ConTenDo概要: 一 親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。 小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。 なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。 別段深い理由でもない。 新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 二百十日出版社: ConTenDo概要: 一 ぶらりと両手を垂げたまま、圭さんがどこからか帰って来る。 「どこへ行ったね」 「ちょっと、町を歩行いて来た」 「何か観るものがあるかい」 「寺が一軒あった」 「それから」 「銀杏の樹が一本、門前にあった」 「それから」 「銀杏の樹から本... ...商品価格: ¥0(税込)