たこ焼き日和 ぶらぶら独身五十男日常紀行随筆 2
概要:
『たこ焼き日和』とは、こっちの方が安かったじゃないか
と後悔しないことである。
かつて「御飯と生卵おかわり自由」をうたっていた居酒屋のランチで山本さんは「強制退場させられたんですよ」と不機嫌そうにつぶやいていた。後日再びその話になって「そりゃ無理はないわなあ」という感想をもつのだが、「おかわり自由」につけ込んで、御飯十四杯、生卵二十個を一度にたいらげたそうである。そこまでやられると店側も眉間に皺をよせたくなるというものだ。そんなあるとき、支払は今夜はこっちで持つからと言ってしまったばっかりに、高田馬場の個人経営の酒場のまぐろを食い尽くしてしまったこともある。このときまぐろ十七人前。当然、こっちの財布は空っぽに。
本編は当初、珍歩漫歩とかいて「ちんぽまんぽ」にでもしようかという話もあったのだが、公序良俗というものがあるゆえに、『たこ焼き日和』と落ち着くことになった。そのあいだ山本さんと担当編集のあいだでは三度ならず五,六度の絶縁があるのだが、それがなぜかきょうここにまできたのは、「おかわり自由」の解釈問題が未解決のママきていることがそう無関係ではないかもしれない。
山本さんはあれでなかなかの季節の、それもうつろうところが好きなようで、節句や暦にはうるさい。そうしたものを充たすために、町をぶらつき、路地をのぞき、判断不能になりかけると決まってたたずむようなところを本編では書かれていると思う。
原稿のしるす風景を思い浮かべながらの一読もまた、よろしいと思う。
目次:
たこ焼き日和
目次
道案内
節分草の話
ムーンライト
帽子と眼鏡
あこがれのユースホステル
へんくつ岬
高速バスいろいろ
駅そば
おみやげ
冬のさんぽ道
鎌と牛丼
枯枝魚
城山の尾根
かえりみち
大阪発糸魚川行
休憩時間
愛石喫茶
えびす詣で
たこ焼き詣で
まぽろしの桜石
帽子屋
弘法さん
雪のち晴れ
利島みやげ
- ジャンル:
- 文芸 > エッセイ
- 販売開始:
- 2020/03/01
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