
溺るるもの
概要:
一 或る図書館員の話
掘割の橋のたもとで、いつも自動車を乗り捨てた。
眼の届く限り真直な疏水堀で、両岸に道が通じ、所々に橋があって、黒ずんだ木の欄干が水の上に重り合って見える。
右側は大きな陰欝な工場、左側は小さな粗末な軒並……。
その軒並の彼方、ぼうっとして明...
(本文冒頭より抜粋)
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溺るるもの
販売(無期限): ¥ 0(税込)
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