
恐しき通夜
概要:
1
「一体どうしたというんだろう。
大変に遅いじゃないか」
眉を顰めて、吐きだすように云ったのは、赭ら顔の、でっぷり肥った川波船二大尉だった。
窓の外は真暗で、陰鬱な冷気がヒシヒシと、薄い窓硝子をとおして、忍びこんでくるのが感じられた。
「ほう、もう八時に二分しか無い...
(本文冒頭より抜粋)
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恐しき通夜
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