
草藪の中
概要:
夕月が射して虫が鳴いていた。
益雄はその虫の声に耳を傾けながら跫音をささないようにと脚下に注意して歩いていた。
そこには芒の穂があり櫟の枝があった。
それは静かな晩で潮の音もしなかった。
その海岸に一週間ばかりいて好きな俳句を作り、飽いて来ると水彩画を画いていた益雄は、父親から呼...
(本文冒頭より抜粋)
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草藪の中
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