歌の円寂する時
概要:
われさへや 竟に来ざらむ。
とし月のいやさかりゆく おくつきどころ
ことしは寂しい春であった。
目のせいか、桜の花が殊に潤んで見えた。
ひき続いては出遅れた若葉が長い事かじけ色をしていた。
畏友島木赤彦を、湖に臨む山墓に葬ったのは、そうした木々に掩われた山際の空の、あかるく澄んだ日であ...
(本文冒頭より抜粋)
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歌の円寂する時
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