夕凪
概要:
老婆は台所の隅の火鉢に依掛って肉を焼いた。
彼女の額も首も汗に滲み、まるで自分が焼かれてゐるやうな気がした。
四つになる児が火のついたやうに傍で泣いた。
口を四角に開けて、両手で足をさすりながら「駅に行かう、駅へつれて行け。」と強請んだ。
台所の高窓には午後五時の青空と白熱の光を...
(本文冒頭より抜粋)
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夕凪
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