論理的文章作法〈帰納法・演繹法・弁証法で書く〉
概要:
文章の書き方で知られている文学博士の著者が、大学の講義で行っている最新の文章論。分かりやすく説得力のある文章を手早くスムーズに論理的文章を書くにはどうしたらいいか? 必要なものは三つ、明快な意見が述べられ、論拠が客観的な事実で示され、論理的に展開されること。論理的な思考法には帰納法、演繹法、弁証法の三つ。帰納法とは共通点から結論を導き出すこと。演繹法とは論を順に積み上げて結論を導くこと。弁証法とは肯定と否定の対立から新たな論理を見いだすこと。本書は、論理的に文章を書くにはどうすればよいかを解説。論理的文章を書く上で必須の帰納法・演繹法・弁証法の三つによる文章展開の方法を、それぞれ基本と応用文書を示すとともに例文、図解、演習を駆使し、詳細にていねいに分かりやすく解説。現在、数冊の自著を通じて文章論の実力者として知られるようになった著者が、大学での講義経験を通じて生まれた知恵とアイデアを傾けて執筆してきた「〈型〉で書く文章論」シリーズの最新版。著者は、二〇〇六年、「『まこと』と『救世主』――久米邦武の比較文化論」で中外日報社・涙骨賞受賞の文学博士。
目次:
まえがき
第1章 帰納的展開で書く
[Ⅰ]帰納的展開の考え方
1.帰納的展開とはたくさんのデータを基にひとつの法則を見つけだし仮説を立てること
2.夏目漱石の「草枕」
3.ノーベル賞とセレンディピティー
4.帰納的飛躍
[Ⅱ]帰納的展開が使われている文章
1.研究者も帰納的展開を使っている
2.帰納的展開で仮説が立てられるのは常識の範囲内の意見
3.170回行った実験のうち58回で仮説が論証されたらOK?
4.「帰納法は便利な論証法である」を帰納的展開で書く
5.演習:帰納的展開で書く
第2章 演繹的展開で書く
[Ⅰ]演繹的展開の考え方
1.演繹的展開は最初に仮説(意見)がある
2.短文で学ぶ演繹的展開
[Ⅱ]演繹的展開を活用した接続語連結
1.演繹的展開は接続語で表現できる
2.接続語はしつけ糸
3.演習:演繹的展開で書く
4.帰納的展開と演繹的展開を合体して書く
第3章 弁証法的展開で書く
[Ⅰ]弁証法的展開の考え方
1.弁証法的展開とは矛盾を取り込んで総合すること
2.「カイゼン(改善)」の基礎には弁証法的思考がある
3.現在シェアが拡大している電子書籍も弁証法的思考から生まれた
4.弁証法的展開で書かれたパトリック・ハーラン氏の論説文
[Ⅱ]弁証法的展開を活用した接続語連結
1.弁証法的展開は接続語で表現できる
2.演習:弁証法的展開で書く(1)
3.演習:弁証法的展開で書く(2)
第4章 パラグラフライティングで書く論理的文章
[Ⅰ]パラグラフライティングの考え方
1.文章の構造
2.文と文は互いに助け合って成立する
3.文と文の強固な関係がパラグラフの要件
4.パラグラフライティングで書かれた文章はわかりやすい
[Ⅱ]〈パラグラフ+パラグラフ+パラグラフ〉で文章作成
1.一つ目のパラグラフを書く
2.二つ目のパラグラフを書く
3.三つ目のパラグラフを書く
4.〈パラグラフ+パラグラフ+パラグラフ〉で完成した文章
第5章 〈序論・本論・結論〉で組み立てる論理的な文章
[Ⅰ]〈序論・本論・結論〉の図式
[Ⅱ]序論の書き方
1.序論の仕事は読み手を引き付けること
2.序論に必要な項目
3.五つの項目を満たした序論の完成型
4.序論を図式する
[Ⅲ]本論の書き方
1.本論は〈序論で出した問い〉に論拠を示して答える場
2.本論は〈客観的事実〉と〈自分の意見〉で構成する
3.〈客観的事実〉とは何か
4.文章表現における〈事実〉と〈意見〉
5.〈客観的事実〉と〈意見〉で構成した本論の完成型
6.本論を〈事実〉と〈意見〉に分けると……
7.本論部分の図式
[Ⅳ]結論の書き方
1.結論には、序論で立てた問いの答えがくる
2.問いの答えが書かれた結論
[Ⅴ]アウトラインを書く
1.アウトラインは文章全体の設計図
2.例文のアウトライン
3.書きあがった本文全体
[Ⅵ]資料――序論・本論・結論の図式、アウトライン、本文例
1.三つの例文から作業工程を確認しよう
2.「若者の科学離れはどうすれば防げるか」
3.「お金で『買えるもの』と『買えないもの』から考察する現代社会」
4.「環境問題と食糧問題解決のための一つの試み、ベジーマンデーについての考察」
〈参考編1 〉引用法を使う
[Ⅰ]引用の役割
1.引用は、その文章の説得性を保障
2.引用の基本姿勢
[Ⅱ]直接引用
1.一字一句変えない引用
2.短い直接引用
3.長い直接引用
4.引用元に誤植がある場合はどうするか
[Ⅲ]間接引用
1.文のポイントを要約して引用
2.短い間接引用
3.長い間接引用(複数の引用元から引用した文章)
4.直接引用と間接引用を併用する書き方
5.特定の書籍の記述に従って論を進める場合
〈参考編2〉資料講読の方法
[Ⅰ]速読法と精読法
[Ⅱ]読み方の第1段階――速読
1.速読の方法
2.通読の手順
[Ⅲ]読み方の第2段階――精読
1.精読はペンと付箋をもって行う
2.精読の七つの方法
〈参考編3〉アウトライン用の【ワークシート+アウトライン自己診断シート】
1.文章を組み立てるためのアウトラインを作成する文章構成ワークシート
2.アウトライン自己診断シート
〈引用・参考文献〉
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- 人文・思想 > 国語学 教育 > 教育一般 教育 > 学校教育 語学 > 日本語・国語
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