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昭和を生きた市井の人  第二章 飛躍・挑戦

立ち読み

昭和を生きた市井の人  第二章 飛躍・挑戦

著者:
本郷太郞
出版社:
本郷太郞

概要:

 第一章までのあらすじ
昭和二十年七月十四日。青森造船の造船技師の国松三郎(30歳)・妻菊子(28歳)・四郎(8歳)の一家は、広島県呉造船秘密工場に転属する。靑森駅でその見送りに来ていた隣人の山田早苗(24歳)と裕子(4歳)だった。幼き四郎と祐子は、指切りげんまんで再会再会の約束をした。
 その後、4日間かけて呉造船松山社宅に到着した。その当日7月26日の深夜、松山は大空襲に見舞われ、避難のため防空壕(空襲の際に待避地する地下の穴)に入るをことを哀願したが拒否され、焼夷弾(火炎で人や建造物などを殺傷破壊する爆弾)と爆弾が無数に降る深夜、四郎が足に火傷したが無事に難を逃れた。翌朝防空壕の前に立った母菊子と四郎は、防空壕の入り口が焼けた家屋と爆弾に塞がれ、防空壕に避難した15名の人々は逃げ場を失い窒息死していた。その骸(むくろ)が筵の並べた光景を見た四郎8歳は、後になって、選択選択できない運命を、母菊子が、四郎の手を痛いほど握りしめていたことで、無意識に脳裏に焼き付けていた。 その後翌8月20日に終戦、食糧難・インフレ・路上強盗・覚醒剤・密造酒・パンパン(米兵相手の娼婦)の戦後の混乱期、父三郎に母菊子と四郎は捨てられた。母菊子は四郎と共に瀬戸内の海へ身を沈める決意を固めたが、四郎の悲しい無言の瞳に生きることを決意した。それから2年、食糧は確保のため、屑芋拾い、野菜屑拾い、母菊子は密造酒販売の酌婦として働き、肺病(結核)で倒れた。享年30歳で母菊子は逝って、四郎は10歳で天涯孤独になった。

ジャンル:
文芸 > 小説(国内)
販売開始:
2021/12/18
ファイルサイズ:
36.36MB
CODE:
J0010564BK0120635002
対応デバイス:
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