室生犀星
検索結果51件中46件から51件までを表示
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タイトル: あじゃり出版社: ConTenDo概要: 下野富田の村の菊世という女は、快庵禅師にその時の容子を話して聞かした。 「わたくしが峯のお寺へ詣るのは、ひと年に二度ばかりでございます。 春早く雪が消えるころと、秋の終りころとでございます。 これはわたくしの家の掟でございまして、その折には四季に食べるお斎糧を小者にかつがせ、腐ら....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: ゆめの話出版社: ConTenDo概要: むかし加賀百万石の城下に、長町という武士町がありました。 樹が屋敷をつつんで昼でもうす暗い寂しい町です。 そこに浅井多門という武士がありました。 ある晩のこと、友だちのところで遊んで遅く川岸づたいに帰って来ましたが、いまとは異ってそのころは武士町の高窓に灯がうっすりと漏れているだけで....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 或る少女の死まで出版社: ConTenDo概要: 大正八年十一月 遠いところで私を呼ぶ声がするので、ふと眼をさますと、枕もとに宿のおかみが立っていた。 それを見ながら私はまたうとうとと深い睡りに落ちかかった。 「是非会わなければならないと言って、そとで誰方か待っていらっしゃいます。 おやすみになっていらっし....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 姫たちばな出版社: ConTenDo概要: はじめのほどは橘も何か嬉しかった。 なにごともないおとめの日とちがい、日ごとにふえるような一日という日が今までにくらべ自分のためにつくられていることを、そして生きた一日として迎えることができた。 日というものがこんなに佳く橘に人事でなく存在していることが、大きな広いところにつき抜け......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 津の国人出版社: ConTenDo概要: あらたまの年の三年を待ちわびて ただ今宵こそにひまくらすれ 津の国兎原の山下に小さい家を作って住んでいた彼に、やっと宮仕えする便りが訪ずれた。 僅かの給与ではあったが、畑づくりでやっとその日を過している男には、それが終生ののぞみであっただけに、すぐにも都にのぼりた... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 玉章出版社: ConTenDo概要: 故郷にて保則様、十一月二十三日の御他界から百日の間、都に通じる松並木の道を毎夜参りますうちに、冬は過ぎ春がおとずれ、いまでは、もう、松の花の気はいがするようになりました。 御身さまも、なぜ、わたくしがかくも寥しい松並木の道をおとずれるかについて、きっと、奇異な思いを抱かせられるこ... ...商品価格: ¥0(税込)