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宮本百合子

検索結果856件中226件から270件までを表示
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  • タイトル: 目をあいて見る
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  帝銀事件として、帝国銀行椎名町支店におこった全行員から小使一家までの毒殺事件は、意味のわからないほど惨酷な毒殺方法で、すべての人の心を寒くした。 犯人の目星がついた、つかないと、推理小説家まで動員されてのさわぎのうちに、日は一日と過ぎている。 人の噂も七十五日、という日本らしい健忘......
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  • タイトル: さしえ
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要: 『働く婦人』の三月号がとどいた。 『働く婦人』がはじめて創刊されたのは一九三二年一月のことだった。 その四号から、翌年発行が出来なくなるまで、佐多稲子さんが中心になって随分な努力をしたものだった。 このごろ出版協会の文化委員会に出る婦人雑誌のリストの中で『働く婦人』が首位を占める数種の....
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  • タイトル: 世界は平和を欲す
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  日本の新聞はアメリカの良心的な市民が読んだら怒るだろうほどおく面ない調子で、アメリカに原子爆弾よりも殺リク力を持った、放射線の雲を作ることが発明されたと報じています。 建物を破壊しないで人間はセン滅するから原子爆弾よりも有効であるなどと人間ならば言いかねる言葉を日本の新聞は書いて... ...
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  • タイトル: 道灌山
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  小さい二人の男の子と、それよりもすこし大きい女の子とが、ぴったりはりついて目の下にひろがる田端駅の構内をあきず眺めている柵のところは、草のしげったほそい道になっていた。  その細い道は、うねうねとつづいてずっと先まで行っているが、人のとおる道と、すぐそこからはじまっている道灌... ...
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  • タイトル:
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  愛ということばは、いつから人間の社会に発生したものでしょう。 愛という言葉をもつようになった時期に、人類はともかく一つの飛躍をとげたと思います。 なぜなら、人間のほかの生きものは、愛の感覚によって行動しても、愛という言葉の表象によってまとめられた愛の観念はもっていませんから。  ....
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  • タイトル: 今年の計画
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  書きつづけている「道標」を今年の半ばまでに書き上げ、更にその先にすすみたいと思います。 健康を守って、ゆとりをもって、たっぷり仕事をためたいと思います。 〔一九四八年一月〕 底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社  1981(昭和56)年3月20日初版発行... ...
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  • タイトル: でんきアンケート
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  一、文学者ではスタンダールというひとをこの頃おもしろく思って居ります。 スタンダールは一八三〇年代のフランスで実に珍しい気骨のある多面的な人であったようです。 「赤と黒」を、恋愛を主題とした小説と云われているのは一面にすぎません。  二、スタンダールは伝記としてかくのはむずかしい....
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  • タイトル: 書簡箋
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  中国の書簡箋というものには、いつもケイがある。 けれどもなぜケイがあるかは知らなかった。 白文体について作人が書いている文章が「魯迅伝」に引用されている。 「古文を用いますと、空っぽで内容はなくとも、八行の書簡箋はいっぱいに埋められるわけであります」ははあと、感服した。 古い支那の教...
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  • タイトル: 兄と弟
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要: 兄と弟 宮本百合子 魯迅伝から  小田嶽夫氏の「魯迅伝」を少しずつ読んでいる。 いろいろと面白い。 兄である魯迅と弟である周作人との間にある悲劇は、決して一朝一夕のものではないことを感じた。  魯迅は十三の年、可愛がってくれていた祖父が獄舎につながれる... ...
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  • タイトル: 一刻
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  制限時間はすぎているのに、電車が来なくて有楽町の駅の群集は、刻々つまって来た。 「もうそろそろ運動はじめたかい」  人に押されて、ゆるく体をまわすようにしながら、蔵原さんが訊いた。 「これからだ」  江口さんは栃木県で立候補した。 新しくなろうとして熱心な村の人々にとって....
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  • タイトル: 相当読み応えのあったものは?
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  最近よんだものの中で(一)「強制収容所の十三ケ月」ヴォルフガング・ラングホフ著・舟木重信、池宮秀意共訳(創芸社)(二)「巣の中の蜘蛛」千田九一訳(宝雲社)などからつよく印象づけられました。 (一)はナチスの非人間的な強圧に対してドイツの民主的な人々がどんなにたたかったかということ... ...
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  • タイトル: 未来を築く力
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  女のひとというものは道理がわからないものだ、そう思われるのが常識であった時代はすぎた。 夏目漱石が「吾輩は猫である」のなかで、婦人の精神の低劣さを諷刺した文章は、今日、もう日本の女性のおろかしさを語るものではなくなった。 却って、漱石ほどの作家でさえも明治四十年代の日本の社会では、......
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  • タイトル: 田端の汽車そのほか
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  東京に対する空襲ということが段々まじめに考えられるようになってから、うちではよく夕飯後に東京地図をもち出した。 その頃もうわたしは目白の家をひきあげて友人がそこに住み、本郷の弟の家に暮しはじめていた。  弟の一家は三人の子供に夫婦ぎりであるけれども、なかの女の児がひどく弱くて、......
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  • タイトル: 私の青春時代
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  わたしの青春について語るとき、そこには所謂階級的なヒロイズムもないし、勤労者的な自誇もない。 そこにあるのは一九一四、五年から二三、四年にかけての日本の中流的な家庭のなかで、一人の少女が次第に人間としてめざめてゆく物語があるだけである。 それから、一人の少女が若い女となってゆく過程......
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  • タイトル: いのちの使われかた
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  わたしたちが、ほんとに人間らしく生活したい、という希望を語るとき、誰がそんなことは生意気な望みだというだろう。 みんな、わたしもそう思う、と答える。  ところが、実際の毎日の生活で人間らしく生きるということは雑作ないことだろうか。 決してそうではない。 こんにちの日本のすべての事...
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  • タイトル: 図書館
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  あいそめ橋で電車をおりて、左手の坂をのぼり桜木町から美術学校の間にある通りへ出た。 美術館の横手をのぼって、博物館前を上野の見晴しの方へ通じるこの大通りは、東京の風景がこんなに変った今もやはりもととあまり違わない閑静さをたもっている。 美術学校の左側の塀を越して、紅葉した黄櫨の枝が......
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  • タイトル: 双葉山を手玉にとった“じこう様”について
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  邪教の話はいままで沢山あったけれど、この璽光教の話は非常に面白いと思いました。 碁の名人、力よりも技術の相撲とりといわれた呉清源、双葉山が、そろってあやつられていたということは、この二人が日本のふるい世界では、もてはやされていたが、時代のはげしい転換期にあって、無能を暴露したわけ... ...
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  • タイトル: いのちのある智慧
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  人類の祖先たちは、彼らの原始的な生活のもとで、どんなふうに自分たちの発見と智慧とをもちいてきたのだろう。  太古の人類の希望は、幸福に生きたいという単一の強烈な欲求であった。 それらの人々は、自分たちに一本の棒の切れはしを研究させ、その先をとがらせ、手にもちいいように小型のもの......
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  • タイトル: 女の学校
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  女学校しか出ていない日本の女性に、「学生生活」の思い出というようなものがあるだろうか。 女学校というところは、中学校とさえもちがって、いかにも只少女時代という大ざっぱな思い出の中にくり入れられてしまうような気がする。 卒業してからの生活も、私たちの時代の娘たちはみんな夫々親の選択に......
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  • タイトル: 琴平
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  朝、めをさまして、もう雨戸がくられている表廊下から外を見て私はびっくりしたし、面白くもなった。 私たちの泊った虎丸旅館というのは、琴平の大鳥居のほんとの根っこのところにあるのであった。 廊下から眺める向い側の軒下は、ズラリと土産ものやである。 いろんなものが、とりどりにまとまりなく、....
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  • タイトル: 朝の話
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  一、今年は珍しく豊年の秋ということで、粉ばかりの食卓にも一すじの明るさがあります。  一、けさも又早い時間にお話をすることになりました。 が、この時間の放送に何か理屈っぽい、云ってみれば教養めいたお話をするということがいつもそぐわなく感じられます。  一、どんな方でも、朝おき....
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  • タイトル: 人民のために捧げられた生涯
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  尾崎秀実氏が獄中から書かれた書簡集がまとめられることになった。 それについて、短い文章を書くようにとの依頼をうけた。  尾崎氏とその家族のために、永年心をつくしていられる友人たちは、決して少くないのである。 それを思うと、私が何かを書くということは、ふさわしくないと遠慮された。 ...
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  • タイトル: 青田は果なし
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  用事があって、岩手県の盛岡と秋田市とへ数日出かけた。 帰途は新潟まわりの汽車で上野へついた。  秋田へ行ったのもはじめてであったし、山形から新潟を通ったのもはじめてであった。 夏も末に近い日本海の眺めは美しくて、私をおどろかした。 が、それよりも身に沁みじみと感じて見てとおったの...
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  • タイトル: 私の愛読書
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  愛読という言葉の普通の使いかたとは違うけれども、非常に感銘をもってよみ、人類の歴史の精髄を学んだ二つの本をあげます。  エンゲルス著「家族・私有財産及国家の発生」  同 「空想から科学へ」  前者は、題名がこの卓抜で美しい社会の歴史の内容を語っております。 後者は、... ...
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  • タイトル: 大町米子さんのこと
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  はじめて大町米子さんにあったのは、いまから十年ばかりまえのことであった。 友達から紹介されて、うちへいらした。 夏の夜だったとおもう。 団扇をつかいながらいろいろ話がでて、大町さんはだんだん自分のくるしい境遇のことや、結婚の問題についてはなした。 そういう問題をはなすについても、大町...
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  • タイトル: 婦人の皆さん
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要: 婦人の皆さん 宮本百合子  きょうは、うれしいニュースを、おつたえいたします。 私たちの代表として、大町米子さんが立候補されることに決定しました。 所属は共産党であります。 皆さんよく御承知のとおり、大町米子さんは、親しみぶかく、なつかしい私どもの仲間です。 私は大町さんを十年...
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  • タイトル: 結集
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  これまで私たちは云いたいことを云えなかったし、聞きたい話もきかれなかった。 この頃になって、ぼつりぼつりと印象の深い話が耳に入るようになって来た。 東京の郊外に武蔵野の雑木林にかこまれた、一つの女子専門学校がある。 英語を専門に教える学校である。  戦争がはじまって暫くすると、そ...
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  • タイトル: 家庭裁判
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  (被告)  女慧しゅうして牛売りそこね  (判決)  こういった諺はみんな男が作ったものなんです、そしてまた女をこんな風にした社会を作ったのも男達なんです、ですけど「女の賢さはほんとうのものじゃない、小ざかしくて失敗や損ばかりする」といった男たちはほんとうに賢かったでしょ... ...
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  • タイトル: 熱き茶色
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  もし私が肖像画家であったら、徳田球一氏を描くときどの点に一番苦心するだろうかと思う。 例えば、徳田さんの眼は、独特である。 南方風な瞼のきれ工合に特徴があるばかりでなく、その眼の動き、眼光が、ひとくちに云えば極めて精悍であるが、この人の男らしいユーモアが何かの折、その眼の中に愛嬌と......
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  • タイトル: 白藤
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  夢で見たような一つの思い出がある。  小さい自分が、ピアノの前で腰かけにかけている。 脚をぶらぶらさせて、そして、指でポツン、ポツンと音を出している。 はにかんで、ほんとうに弾けるようには指を動かさないで、音だけ出しているのであった。  わきに、一人の若い女のひとが立っていた...
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  • タイトル: 時代と人々
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  わが師という響のなかには敬愛の思いがこもっていて、私としては忘られない一つの俤がそこに繁っている。  千葉安良先生は、今どこで、どのように生活していらっしゃるだろう。  二十余年も前、お茶の水の女学校の先生をして居られた、この一人の女性の名を知っている人の範囲はごく限られて......
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  • タイトル: モスクワ
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  三時すぎるともう日が暮れかかって、並木道にアーク燈が燦きはじめ、家路をいそぐ勤め帰りの人々の姿が雪の上に黒く動く。 夕方の散歩もアーク燈にてらされた雪の並木路で、くるくるにくるまれた小さい子供たちは、熊の仔のような手袋はめた手に橇をひっぱって、嬉々とその間をすべりまわって遊んでい... ...
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  • タイトル: ニイナ・フェドロヴァ「家族」
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  ニイナ・フェドロヴァというロシア生れの女のひとの書いた小説「家族」は最近よんだ本の中で面白いものの一つでした。 貧しい白系ロシア人の家族が天津で下宿屋をやって、日支事変の波の中に様々の経験を経てゆく物語ですが登場するイギリス人、支那人、日本人の生活を静かな公平な眼で見ていて、なか... ...
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  • タイトル: わが母をおもう
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  母中條葭江は、明治八年頃東京築地で生れ、五十九歳で没しました。 母の実家というのは西村と申し、千葉の佐倉宗五郎の伝説で知られている堀田藩の士で、祖父の代は次男だったので、武術の代りに好きな学問でもやれと言って国学、漢学、蘭学などを専門にやっていたらしい様子です。  経済的には貧......
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  • タイトル: 近頃の商売
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  商売というものの性質がすっかり変って来て、それは時代の動きによるものだということをはっきり知ってほしいと思います。 やっと胡瓜の真盛りになるともう出ないというような儲のとらえかたも、わかりはするが閉口です。 暮しにくいのは万人御同様なのですから。 〔一九四一年十月〕 底本:....
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  • タイトル: 終刊に寄す
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  用紙節約から廃刊になるということはさけがたいことながらやはりそれぞれにつながる編輯者のこれ迄の御骨折りや読者の好意について感想を新しくいたします。 これ迄の足かけ八年間にこの雑誌のつくして来た文化の上での意義が読者の生活の裡で育ちつづけることを願います。 〔一九四一年十月〕 ......
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  • タイトル: 本棚
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  この間うちから引越しさわぎで、あっちの古本の山、こっちの古本のかたまりといじりまわしているうちに、一冊、黒い背布に模造紙の表紙をつけた『女学雑誌』の合本が出て来た。 かたい表紙をあけてみると、教育という見出しで遺伝についての記事、胎教についての項目、フレーベル氏及幼稚園というよう... ...
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  • タイトル: 積極な一生
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  長谷川時雨さんの御生涯を思うと、私たちは、やっぱり何よりも女性の多難な一生ということを考えずには居られなくて、最後までその道の上に居られた姿を、深く悼む心持です。  明治の濃い匂りの裡に成長して、大正、昭和と今日までの激しい日本の推移が、そのまま長谷川さんの上にうつっているよ... ...
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  • タイトル: 読み落した古典作品
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  私などは読みおとすというところまで参らず、土台読まないのや知らないのだらけであると思います。 文学史的に古典をよむということは私の場合大変おくれて必要から学んだので、さかのぼるのはいつも手間どります。 〔一九四一年八月〕 底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社 ......
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  • タイトル: 生活的共感と文学
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  私の生活も随分夥しい或は根本的な変化をうけていますが、それはおそらく、この四年の間に成金になりもしなかった大多数の国民が、その日々で経て来ている、その変りかただと思います。 事の端々では、いろいろ特別な点もあるわけですが、しかし総ての変りかたに益々自分一個のことではないのだという... ...
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  • タイトル: 顔を語る
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  どんなひとでも、はたからは、その人に似た人というものの話をきかされているだろうと思う。 よく知っている者が、その似たというところの話されているのをきくと、案外、まるで似てもいないのに、とびっくりするようなこともある。 私たちが互にひとの顔だちなどのどんな特徴をどうつかんでいるのかと......
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  • タイトル: 諸物転身の抄
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  これまで、今時分の東京の乾物屋の店先にこんなに種々様々にあしらわれて鰊が並んだことがあっただろうか。  身がきにしんの束がそこにあるわきで、小僧と娘さんとが、その身がきにしんにドロリとした黒いたれをつけて焼いている。 その匂いは細雨の降る夕暮の歩道に立ちこめているが、同じ店先に......
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  • タイトル: 想像力
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  派出婦さんが、だんだん顔をあげて私を見て、笑顔になってものを云うようになった。 そして、こんなことを話した。 「あたし、喧嘩する家はつくづく、やになっちゃうね」  夫婦喧嘩されると、どっちにどう云っていいのか分らないから困る。 「旦那さんと奥さんがガミガミ馬鹿にしてんのはい....
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  • タイトル: 「うどんくい」
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  いろいろと材料が不足して来ている台所でも、今日の私たちは心持も体もいくらか潤う食事をこしらえてゆくことに骨おしみしてはいまい。  お米が切符になって、昨今あらゆる人々が訴えていた不安や不便はなくなるであろう。 でも、お米は副食品とせよという声もきこえていて、切符で配給される米の......
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 私の科学知識
    著者: 宮本百合子
    出版社: ConTenDo
    概要:  私の科学知識というような話題について何か語ろうとすると、真先に、貧弱という字が心に大写しになって浮んで来るのは、私ばかりのことだろうか。  読書力というものについて他の場合にもよく思うことだけれども、私たちの読書力は極めてむらで、理解する力に甚しい差がある。 私の実際では、その......
    商品価格: ¥0(税込)
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