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小川未明

検索結果286件中226件から270件までを表示
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  • タイトル: 神は弱いものを助けた
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  あるところに、きわめて仲の悪い百姓がありました。  この仲の悪い甲と乙とは、なんとかして甲は乙を、乙は甲をうんとひどいめにあわしてやりたいと思っていました。 けれど、なかなかそんなような機会はこなかったのであります。  ある年の夏の日のことでありました。 幾日も幾日...
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  • タイトル: 木と鳥になった姉妹
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるところに、人のよいおばあさんが住んでいました。 このおばあさんはいろいろな話を知っていました。 怖ろしいような話も、不思議な話も、またおかしいような話なども知っていました。 この話は、やはりそのおばあさんが聞かせてくれたのであります。  昔、昔、あるところに、仲のいい姉と妹と...
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  • タイトル: 野ばら
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  大きな国と、それよりはすこし小さな国とが隣り合っていました。 当座、その二つの国の間には、なにごとも起こらず平和でありました。  ここは都から遠い、国境であります。 そこには両方の国から、ただ一人ずつの兵隊が派遣されて、国境を定めた石碑を守っていました。 大きな国の兵士は老人であ...
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  • タイトル: てかてか頭の話
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある田舎に、おじいさんの理髪店がありました。 おじいさんは、もうだいぶ年をとっていまして、脊が曲がっていました。 いいおじいさんなものですから、みんなに、おじいさん、おじいさんと慕われていました。  ちょうど、夏の昼過ぎのことであります。 お客が一人もなかったので、おじいさんは、...
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  • タイトル: 小さな草と太陽
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  垣根の内側に、小さな一本の草が芽を出しました。 ちょうど、そのときは、春の初めのころでありました。 いろいろの花が、日にまし、つぼみがふくらんできて、咲きかけていた時分であります。  垣根の際は、長い冬の間は、ほとんど毎朝のように霜柱が立って、そこの地は凍っていました。 寒い、寒...
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  • タイトル: 消えた美しい不思議なにじ
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  それは、ここからは見えないところです。  そこには黒い、黒い河が流れています。 どうしたことか、その河の水は真っ黒でありました。 河が真っ黒であったばかりでなく、河原の砂もまた真っ黒でありました。 そして、その河は音もたてずに、また真っ黒な大きな森の中をくぐって、いずこともなく流...
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  • タイトル: 灰色の姉と桃色の妹
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるところに、性質の異った姉妹がありました。 同じ母の腹から産まれたとは、どうしても考えることができなかったほどであります。  妹は、つねに桃色の着物をきていました。 きわめて快活な性質でありますが、姉は灰色の着物をきて、きわめて沈んだ、口数の少ない性質でありました。  二人...
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  • タイトル: 笑わない娘
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるところに、なに不足なく育てられた少女がありました。 ただ一人ぎりで、両親にはほかに子供もありませんでしたから、娘は生まれると大事に育てられたのであります。  世間にも知られるほどの金持ちでありましたから、娘はりっぱな家に住み、食べ物から着る物まで、ほかの子供らには、とうてい......
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  • タイトル: 一本の釣りざお
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  あるさびしい海岸に、二人の漁師が住んでいました。 二人とも貧しい生活をしていましたから、町や都に住んでいる人々のように、美しい着物をきたり、うまいものをたくさん食べたり、また、ぜいたくな暮らしなどをすることは、思いもよらないことでありました。  二人は、どうかして、も......
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  • タイトル: 空色の着物をきた子供
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  夏の昼過ぎでありました。 三郎は友だちといっしょに往来の上で遊んでいました。 するとそこへ、どこからやってきたものか、一人のじいさんのあめ売りが、天秤棒の両端に二つの箱を下げてチャルメラを吹いて通りかかりました。 いままで遊びに気をとられていた子供らは、目を丸くしてそのじいさんの周囲....
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  • タイトル: 小さな赤い花
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  おそろしいがけの中ほどの岩かげに、とこなつの花がぱっちりと、かわいらしい瞳のように咲きはじめました。  花は、はじめてあたりを見て驚いたのであります。 なぜなら、目の前には、大海原が開けていて、すぐはるか下には、波が、打ち寄せて、白く砕けていたからであります。 「なんというお....
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  • タイトル: 教師と子供
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  それは不思議な話であります。  あるところに、よく生徒をしかる教師がありました。 また、ひじょうに物覚えの悪い生徒がありました。 教師はその子供をたいへん憎みました。 「こんなによく教えてやるのに、どうしてそれが覚えられないのか。」といって、教師は歯ぎしりをして怒りました。 ...
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  • タイトル: 煙突と柳
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  冬の晴れた日のことであります。 太陽は、いつになく機嫌のいい顔を見せました。 下界のどんなものでも、太陽のこの機嫌のいい顔を見たものは、みんな、気持ちがはればれとして喜ばないものはなかったのであります。  太陽は、だれに対しても差別なく、いつでも、喜んで話し相手になったからであり....
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  • タイトル: 北の国のはなし
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるところにぜいたくな人間が住んでいました。 時節をかまわずに、なんでも食べたくなると、人々を方々に走らしてそれを求めたのであります。 「いくら金がかかってもいいから、さがしてこい。」と、その人はいいました。  ある日のこと、その人は、川魚が食べたいから、釣ってきてくれと、下....
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  • タイトル: 宝石商
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  昔、北の寒い国に、珍しい宝石が、海からも、また山からもいろいろたくさんに取れました。  それは、北の国にばかりあって、南の方の国にはなかったのであります。 南の方の暖かな国は富んでいましたから、この珍しい宝石を持って売りにゆけば、たいそう金がもうかったのでありました。  けれ....
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  • タイトル: ものぐさじじいの来世
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるところに、ものぐさじいさんが住んでいました。 じいさんは、若いときから、手足を動かしたり、人にあって話をしたりすることを、ひじょうにものぐさがって、いつもじっとしていることが好きでありました。  花が咲いても、どこかへ見物に出かけるでなし、お祭りがあっても、わざわざいってみ......
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  • タイトル: いろいろな花
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  さまざまの草が、いろいろな運命をもってこの世に生まれてきました。 それは、ちょうど人間の身の上と変わりがなかったのです。  広い野原の中に、紫色のすみれの花が咲きかけましたときは、まだ山の端に雪が白くかかっていました。 春といっても、ほんの名ばかりであって、どこを見ても冬枯れのま....
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  • タイトル: ちょうと三つの石
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるところに、まことにやさしい女がありました。 女は年ごろになると、水車屋の主人と結婚をしました。  村はずれの、小川にかかっている水車は、朝から晩まで、唄をうたいながらまわっていました。 女も主人も、水車といっしょに働きました。 「なんでも働いて、この村の地主さまのように金...
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  • タイトル: 港に着いた黒んぼ
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  やっと、十ばかりになったかと思われるほどの、男の子が笛を吹いています。 その笛は、ちょうど秋風が、枯れた木の葉を鳴らすように、哀れな音をたてるかと思うと、春のうららかな日に、緑の色の美しい、森の中でなく小鳥の声のように、かわいらしい音をたてていました。  その笛の音を聞いた人々......
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  • タイトル: くわの怒った話
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるところに、性質のちがった兄と弟がありました。 父親は死ぬときに、自分の持っている圃を二人に分けてやりました。  兄はどちらかといえば、臆病で、働くことのきらいな人間でありましたが、弟は、どうかして自分の力で働いて、できるだけの仕事をしたいものだと、日ごろから思っていました。 ....
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  • タイトル: 太陽とかわず
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  池の中に水草がありましたが、長い冬の間水が凍っていましたために、草はほとんど枯れてしまいそうに弱っていました。 それは、この草にとって、どんなに長い間でありましたでしょう。  そのうちに、やっと春がきまして、氷が解けはじめました。 池の水は日に増しぬるんできて、日の光がその面を照....
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  • タイトル: 町のお姫さま
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  昔、あるところに、さびしいところの大好きなお姫さまがありました。 どんなにさびしいところでもいいから人の住んでいない、さびしいところがあったら、そこへいって住みたいといわれました。  お供のものは、お姫さまのお言葉だからしかたがありません。 人のだれも住んでいない、山の中にでも、....
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  • タイトル: 金の魚
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  昔、あるところに金持ちがありまして、なんの不自由もなく暮らしていましたが、ふと病気にかかりました。  世間に、その名の聞こえたほどの大金持ちでありましたから、いい医者という医者は、いずれも一度は呼んで、みてもらいました。 けれど、どの医者にも、その病気の名がわかりませんばかりで......
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  • タイトル: 強い大将の話
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  ある国に、戦争にかけてはたいへんに強い大将がありました。 その大将がいる間は、どこの国と戦争をしても、けっして負けることはないといわれたほどであります。  それほど、この大将は知略・勇武にかけて、並ぶものがないほどでありました。 それですから、よくほかの国と戦争をしまし....
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  • タイトル: 春がくる前
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  さびしい野原の中に一本の木立がありました。 見渡すかぎり、あたりは、まだ一面に真っ白に雪が積もっていました。 そして、寒い風が、葉の落ちつくしてしまった枝を吹くのよりほかに、聞こえるものもなかったのです。  木は、こうして毎日、長い寒い冬の間、さびしいのを我慢していました。 それ...
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  • タイトル: 赤い手袋
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  政雄は、姉さんからこさえてもらいました、赤い毛糸の手袋を、学校から帰りに、どこでか落としてしまったのです。  その日は、寒い日で、雪が積もっていました。 そして、終日、空は曇って日の光すらささない日でありましたが、みんなは元気で、学校から帰りに、雪投げをしたり、また、あるものは......
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  • タイトル: 角笛吹く子
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  町の四つ角に立って、一人の男の子がうろうろしていました。 子供ははだしで、足の指を赤くしていましたけれど、それを苦にも感じないようでありました。 短い黒い着物をきて、延びた頭髪は、はりねずみのように光っていました。  子供は、このあたりのものではないことはよくわかっています。 前...
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  • タイトル: 時計のない村
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  町から遠く離れた田舎のことであります。 その村には、あまり富んだものがありませんでした。 村じゅうで、時計が、たった二つぎりしかなかったのです。  長い間、この村の人々は、時計がなくてすんできました。 太陽の上りぐあいを見て、およその時刻をはかりました。 けれど、この文明の世の...
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  • タイトル: 殿さまの茶わん
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  昔、ある国に有名な陶器師がありました。 代々陶器を焼いて、その家の品といえば、遠い他国にまで名が響いていたのであります。 代々の主人は、山から出る土を吟味いたしました。 また、いい絵かきを雇いました。 また、たくさんの職人を雇いました。  花びんや、茶わんや、さらや、いろいろの...
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  • タイトル: 善いことをした喜び
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  さよ子は、叔母さんからもらったおあしを大事に、赤い毛糸で編んだ財布の中に入れてしまっておきました。 秋のお祭りがきたら、それでなにか好きなものを買おうと思っていました。  もとよりたくさんのお金ではなかったのです。 けれど、さよ子はそれを楽しみにして、ときどき机のひきだしの中から....
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  • タイトル: 王さまの感心された話
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  この世界が造られましたときに、三人の美しい天使がありました。 いちばん上の姉さんは、やさしい、さびしい口数の少ない方で、そのつぎの妹は、まことに麗しい、目の大きいぱっちりとした方で、末の弟は快活な正直な少年でありました。  みんなは、それぞれこの世界が造られるはじめてのことであ......
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  • タイトル: 赤いろうそくと人魚
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  人魚は、南の方の海にばかり棲んでいるのではありません。 北の海にも棲んでいたのであります。  北方の海の色は、青うございました。 あるとき、岩の上に、女の人魚があがって、あたりの景色をながめながら休んでいました。  雲間からもれた月の光がさびしく、波の上を照らしてい...
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  • タイトル: 薬売り
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  どこからともなく、北国に、奇妙な男が入ってきました。  その男は黄色な袋を下げて、薬を売って歩きました。 夏の暑い日に、この男は村から村を歩きましたが、人々は気味を悪がって、あまり薬を買ったものがありません。  けれど、男は根気よく、日盛りをかさをかぶって、黄色な袋....
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  • タイトル: 金持ちと鶏
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるところに金持ちがありまして、毎日退屈なものですから、鶏でも飼って、新鮮な卵を産まして食べようと思いました。  鳥屋へいって、よく卵を産む鶏を欲しいのだが、あるか、と聞きました。  鳥屋の主人は、 「よく卵を産む鶏なら、そこのかごの中に入っていますのより、たくさん産む鶏......
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  • タイトル: 北海の白鳥
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 上  昔、ある国に金持ちの王さまがありました。 その御殿はたいそうりっぱなもので、ぜいたくのあらんかぎりを尽くしていました。 支那の宝玉や、印度の更紗や、交趾の焼き物や、その他、南海の底から取れたさんごなどで飾られていました。 そしてそのほか、古酒のつぼが並べられてあり、美しい女....
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  • タイトル: 酒倉
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 上  甲と乙の二つの国は、隣り合っているところから、よく戦争をいたしました。  あるときの戦争に、甲の国は乙の国に破られて、乙の軍勢は、どしどし国境を越えて、甲の国に入ってきました。 甲の大将は、とても正当の力では乙の軍勢を防ぐことができない、そうして降参しなければならない......
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  • タイトル: ろうそくと貝がら
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  海の近くに一軒の家がありました。 家には母親と娘とがさびしく暮らしていました。 けれど二人は働いて、どうにかその日を暮らしてゆくことができました。  父親は二年前に、海へ漁に出かけたきり帰ってきませんでした。 その当座、たいへんに海が荒れて、難船が多かったといいますから...
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  • タイトル: 金の輪
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  太郎は長い間、病気で臥していましたが、ようやく床から離れて出られるようになりました。 けれどまだ三月の末で、朝と晩には寒いことがありました。  だから、日の当たっているときには、外へ出てもさしつかえなかったけれど、晩方になると早く家へ入るように、お母さんからいいきかさ......
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  • タイトル: 子供の時分の話
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  あめ売りの吹く、チャルメラの声を聞くと、子供の時分のことを思い、按摩の笛の音を聞くと、その人は涙ぐみました。 その話を聞かせた人は旅の人です。 そして、その不思議な話というのはつぎのような物語です。  *****  町からすこしばかり離れた、... (本文冒頭より抜粋)
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  • タイトル: 黒い塔
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  昔のことでありました。 ある小さな国の女皇に二人のお子さまがありました。 姉も妹もともに美しいうえに、りこうでありました。 女皇は、もう年をとっていられましたから、お位を姉のほうのお子さまに譲ろうと思っていられました。  そのうち、姉のほうが、目をわずらわれて、すがめに...
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  • タイトル: おじいさんの家
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  学校から帰ると正雄は、ボンと楽しく遊びました。 ボンはりこうな犬で、なんでも正雄のいうことはよく聞き分けました。 ただものがいえないばかりでありましたから、正雄の姉さんも、お母さんも、みんながボンをかわいがりました。  ただ一つ困ることは、日が暮れてから、ボンがほえるこ....
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  • タイトル: めくら星
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  それは、ずっと、いまから遠い昔のことであります。  あるところに目のよく見えない娘がありました。 お母さんは、娘が、まだ小さいときに、娘をのこして、病気のため死んでしまいました。 その後にきましたお母さんは、この娘を、ほんとうの自分の産んだ子供のようにかわいがらずに、なにかにつけ....
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  • タイトル: 犬と人と花
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある町はずれのさびしい寺に、和尚さまと一ぴきの大きな赤犬とが住んでいました。 そのほかには、だれもいなかったのであります。  和尚さまは、毎日御堂にいってお経を上げられていました。 昼も、夜も、あたりは火の消えたように寂然として静かでありました。 犬もだいぶ年をとっていました。 ...
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  • タイトル: 牛女
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある村に、脊の高い、大きな女がありました。 あまり大きいので、くびを垂れて歩きました。 その女は、おしでありました。 性質は、いたってやさしく、涙もろくて、よく、一人の子供をかわいがりました。  女は、いつも黒いような着物をきていました。 ただ子供と二人ぎりでありました。 ま...
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  • タイトル: 馬を殺したからす
    著者: 小川未明
    出版社: ConTenDo
    概要:  北の海の方にすんでいたかもめは、ふとして思いたって南の方へと飛んできました。 途中でにぎやかな街が下の方にあるのを見ました。 そこにはおほりがあって、水がなみなみと青く、あふれるばかりでありましたから、しばらくそこへ下りて暮らしました。  この街は、この国の一番の都でありまして、....
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