人魚の祠
概要:
一
「いまの、あの婦人が抱いて居た嬰兒ですが、鯉か、鼈ででも有りさうでならないんですがね。」
「…………」
私は、默つて工學士の其の顏を視た。
「まさかとは思ひますが。」
赤坂の見附に近い、唯ある珈琲店の端近な卓子で、工學士は麥酒の硝子杯を控へて...
(本文冒頭より抜粋)
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人魚の祠
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