こねこのタケシ南極だいぼうけん
この絵本は実話です。
映画「南極物語」の高倉健さんのモデルとなった菊池徹先生と父は、映画の原作『タロ・ジロは生きていた』以降、とても気の合う、仲のいい友人でした。
そのため西堀榮三郎越冬隊長との親交も深まり、西堀先生から伺ったタケシの話をどうしても残したいと、母が執筆した絵本です。
極寒の南極で、犬には犬の、猫には猫の役割がありました。
絵は、当時売り込みに来た渡辺あきおさんに依頼。
彼は、この絵本が猫を描いた最初といいます。今では猫の画家としても有名で、各地のデパートなどで展覧会やサイン会がひらかれる売れっ子です。
タケシに選ばれてネコ係りになった作間さんも、今はあちらでタケシにも会っているでしょう。
作間さんからは、当時の隊員の決死の覚悟と社会状況等も教えていただきました。
敗戦国の日本に与えられたのは、どの国も嫌がる地域。
そのあてがわれた地を昭和基地として、何としても成果をあげると命がけで赴いた隊員たちは、みなさん、遺言状を書き残しての出発だったそうです。
作間さんは朝日新聞社からの参加で、通信担当。
趣味の無線も持参していて、それが危機に役立ったとも仰っていました。
父の急逝に、カナダから帯のように長いFAXを送ってくださった菊池先生も、あちらでみなさんと賑やかに酌み交わしていることでしょう。
西野真由美
概要:
第一次南極越冬隊員たちのアイドル猫タケシ。
タロ・ジロと一緒に南極へ行った、こねこのタケシの実話絵本!
第一次南極越冬隊の写真もたっぷり。
幼児から大人まで一緒に楽しめます。
~復刊にあたって 阿見みどり~
「タケシがいたから、一年がなごやかだったかもしれない」と、菊池先生(第一次南極越冬隊員)が思い出を話されたとき、「ペット」の役目を貫いたタケシが、いじらしくてなりませんでした。
ノンフィクションとして、少しでも事実に即したいと思い、西堀榮三郎隊長にもチェックをしていただきました。
「読んでごらん」とのことで、その場で読み上げました。
「うん、いいね。タケシね。そうだったんだよ」
この復刊を、西堀先生はタケシと一緒に遠い空から喜んでくださっているでしょう。
★全国学校図書館協議会・日本子どもの本研究会選定図書★
1986年 初版 教育出版センター
2006年 銀の鈴社 復刊
協力:作間敏夫(南極第一次越冬隊員)
- ジャンル:
- 児童・絵本 > 日本のえほん
- 販売開始:
- 2013/05/24
- ページ数
- 44ページ
- ファイルサイズ:
- 13.09MB
- CODE:
- J0010148BK0005730001
- 対応デバイス:
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商品価格(税込) | ¥472 | - |
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コンテンツ紹介:
本書は、タロ・ジロと一緒に南極へ行った、こねこのタケシの実話絵本である。第一次南極越冬隊の写真もたっぷり掲載され、幼児から大人まで一緒に楽しめる内容となっている。
第一次南極越冬隊員たちのアイドル猫であったタケシ。
犬だけでなく猫やカナリアも同伴していたのだ。犬のように厳しい訓練はなかったであろうが、猫は縁起が良いからといって南極出張要員になるとは、さぞかしタケシも面食らったであろう…。
著者である阿見みどり氏は、エピソードとしてこう述べている。
「第一次南極越冬隊員であった菊池氏が、『タケシがいたから、一年がなごやかだったかもしれない』と思い出を話されたとき、ペットの役目を貫いたタケシが、いじらしくてなりませんでした。ノンフィクションとして、少しでも事実に即したいと思い、西堀榮三郎隊長にもチェックをしていただきました。『読んでごらん』とのことで、その場で読み上げました。『うん、いいね。タケシね。そうだったんだよ』この絵本を、西堀先生はタケシと一緒に遠い空から喜んでくださっているでしょう。」
脚色が一切無いノンフィクション作品だから、目が離せないストーリー展開が繰り広げられている。隊員たちは、子猫のタケシがいたから、最後まで苦難の南極での越冬をやり遂げることができたということからも、ペットとして心の支えとなるタケシの魅力や、共に暮らす動物という存在のあり方を再認識することができるだろう。
本書は、全国学校図書館協議会と日本子どもの本研究会の選定図書である。実話を元に、作られた絵本であることから、臨場感があり、続きが気になって仕方がない。わたなべあきお氏の可愛らしい絵とともに、タケシの生い立ちから南極での様子までが詳細に描かれている。文章もひらがなが多いため、読みやすく、子供にもおすすめできる作品である。
さらにイラストがほんわかとしていてタケシの癒やし系としての存在感を増長させているので、とても愛着が湧いてきてしまう。
この絵本は、子供も大人も夢中になるもうひとつの『南極物語』である。
販売(無期限): ¥ 472(税込)