
番町皿屋敷
概要:
一
「桜はよく咲いたのう」
二十四五歳かとも見える若い侍が麹町の山王の社頭の石段に立って、自分の頭の上に落ちかかって来るような花の雲を仰いだ。
彼は深い編笠をかぶって、白柄の大小を横たえて、この頃流行る伊達羽織を腰に巻いて、袴の股立ちを高く取っていた。
そのあとには鎌髭のい...
(本文冒頭より抜粋)
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番町皿屋敷
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