焦燥
概要:
焦燥
富永太郎
母親は煎薬を煎じに行つた
枯れた葦の葉が短かいので。
ひかりが掛布の皺を打つたとき
寝台はあまりに金の唸きであつた
寝台は
いきれたつ犬の巣箱の罪をのり超え
大空の堅い眼の下に
幅びろの青葉をあつめ
棄てられた藁の熱を吸ひ
たちのぼる巷の...
(本文冒頭より抜粋)
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焦燥
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