読む 日本と世界の年表(下巻)
概要:
逆引き年表、「読む 日本と世界の年表(下巻)」2023年1月版のPDFです。
上巻と同様、各時代の冒頭には、各時代の「あらまし」を。
また、「時代区分による検索目次(時代目次)」と「日本・世界の検索目次(項目索引)」を抄録。このPDF版では「用語・語句の検索」が可能です。
目次は大部となりましたので、「立ち読み」機能をご利用下さい。
年表では、江戸期の記事は、後北条氏の家来筋が残した記録や逸話、戦前の歴史家の研究史料、それ以前は「戦記物」や「記紀」などに拠りました。
原稿をまとめて感じたのは、江戸時代に関する今の史観に、後北条氏の存在が軽視されているように思えること。
家康、関東への転封(小田原 1590年)を大いに喜んだのではないか。
高野山に蟄居させられた北条氏直(1592年没)は家康の娘婿。
北条氏の家来たち、処世のことと割り切り、小田原以降、進んで、家康に降りたのではないか。
この時代、関東の地は、初代・伊勢宗瑞、北条3代(氏綱・氏康・氏政(1590年自刃))の力で、室町時代以来の関東騒乱の元凶・古河の足利氏と上杉氏、
甲斐の武田氏も消え、安定。
この地を知り尽くした北条の遺臣らを厚遇したと想像。特に北条の家来は、娘婿の家臣。人・土地・支配の「統べ」も完備。
家康は、転封を、ほくそ笑んだのかも。
小田原から10年後に関ヶ原の戦い、それから15年後、豊臣氏滅亡・元和偃武。
この間、北条の遺臣と、かつての旧家の在地領主・国人たちの働きは大きかったはず。
江戸時代の軍制整備、公娼・吉原の始まりも北条の遺臣らからのこと。
幕府の財政は「お米」。米の扱い、その換金を担ったのは商人。
史料を元に、想像を逞しくすれば、蔵前の札差・「札差業要集(1818年)」を記した扇谷定継は、かつての扇谷上杉氏(河越夜戦、1546年)の裔でなかったか?
「江戸」はサムライの町だが、その多くは「足軽(歩兵)」程。
戦国以来の旧家の裔たち、彼らに「面従腹背」、強か・雑多に生きたのが「江戸時代」、そこで育まれたのが「江戸文化」かと想像。
「家柄より芋茎」との諺は、この風潮からのものか?
この年表の下巻・上巻、それに「明快 歴史読本」が「岳(たけ)の歴史三部 作」。今後も、これらを見直し、誤りなどを適宜補正しますことを、予め、お断りいたします。
令和5年3月 著 者
販売(無期限): ¥ 1,100(税込)