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夢野久作

検索結果126件中91件から126件までを表示
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  • タイトル: 父杉山茂丸を語る
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  白ッポイ着物に青い博多織の帯を前下りに締めて紋付の羽織を着て、素足に駒下駄を穿いた父の姿が何よりも先に眼に浮かぶ。 その父は頭の毛をクシャクシャにして、黒い関羽鬚を渦巻かせていた。  筆者は幼少から病弱で、記憶力が強かったらしい。 満二歳の時に見た博多駅の開通式の光景を故老に話し....
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  • タイトル: 創作人物の名前について
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  これは探偵小説に限らない。 小説を書く人は誰でも経験するところであろう。  如何なる作家の場合でも小説の中の主人公や相手役、端役の人物が決定するのと、その人物の名前が決定するのは殆んど同時ではあるまいかと思う。  AともBとも名前をきめないで書いて行く事は、ちょっと不可能のよ....
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  • タイトル: 私の好きな読みもの
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  こんな事を書くと文学青年じみるが、事実文学青年の古手に相違ないのだから仕方がない。 しかも五十近くになって頭の天辺がコッ禿げて来ているのに恋愛小説なんかアホらしくって読む気になれない。 寝がけに読み初めた探偵小説に昂奮しちゃって翌る朝まで睡むらず、翌る日は終日胃が悪くなって砂を噛む......
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  • タイトル: 甲賀三郎氏に答う
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  ぷろふいる誌、九月号所載、甲賀三郎氏の「探偵小説講話」末尾に於て、特に私が文芸通信誌上に書いた「探偵小説の真使命」と称する一文のために「夢野久作君に問う」の一項を設けられたについて御回答申上る事を近頃の欣快とし且つ光栄とするところである。  ところが実を云うと私は「御回答申上... ...
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  • タイトル: 探偵小説の真使命
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  探偵小説が下火になって来た。 曾ての勃興当時、作者と読者とが熱狂して薪を投じ油を注いだ炬火は、今や冷めたい灰になりかかっている。  曾ての自然主義文芸がそうであったように……。  自由民権思想がそうであったように……。  人類の趣味傾向が、かくして遂にドン底を突いてしまっ...
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  • タイトル: スランプ
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  ――ぷろふいる社御中――  申訳ありません。 このあいだ御下命の原稿、一度、御猶予願っておきながら、まだ書けずにおります。 ひどいスランプに陥ってしまったのです。  いささか広告に類しますが、私はスランプに陥った経験がまだ一度もないのです。  九州日報社で編輯と外交の中ブラ...
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  • タイトル: 探偵小説の正体
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  探偵小説はジフテリヤの血清に似ている。 ジフテリヤの血清をジフテリヤ患者に注射するとステキに利く。 百発百中と云ってもいい位おそろしい効果を以て、ジフテリヤの病源体をヤッツケてしまうらしい。  それでいてジフテリヤの病源体はまだ発見されていない。 近代医学の威力を以てしても正体が...
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  • タイトル: 書けない探偵小説
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  素晴らしい探偵小説が書きたい。  ピカピカ光る太陽の下を傲華な流線スターがスウーと横切る。 その中に色眼鏡をかけて済まし返っているスゴイような丸髷美人の横顔が、ハッキリと網膜に焼付いたまま遠ざかる。 アトからガソリンの臭いと、たまらない屍臭とがゴッチャになってムウとするほど鼻を撲....
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  • タイトル: 路傍の木乃伊
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は遠からず路傍の木乃伊になってしまいそうな気がする。 口をポカンと開いた……眼の前の空間を凝視した……。  私は中学を卒業した切り上の学校に行かないが、その中学時代が小説の耽読時代であった。 漱石、蘆花、紅葉、馬琴、為永、大近松、世阿弥、デュマ、ポー、ホルムズ、一千一夜物語、イ....
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  • タイトル: 挿絵と闘った話
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要: 「犬神博士」は私が何等の自信もないままに、突然福日社から頼まれたものです。 むろん一度ならず、お断りしかけましたし、福日社も私の危虞を察して「それじゃ止そうか」と云われたものですが、旧知の青柳君がどこかで「挿絵は生れて初めてだが、夢野君のものなら扱ってみたい」と云った事を洩れ聞きま... ...
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  • タイトル: 涙香・ポー・それから
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  探偵小説作家なぞと呼ばれて返事を差出すのは、如何にも烏滸がましい気がして赤面します。 けれども元来が探偵小説好きなのですから、ソウ呼ばれますと何がなしに嬉しいことも事実です。  ところで私は今でも探偵小説の定義がわからずに困っているのです。 阿呆らしい話ですが、自分の書いているも....
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  • タイトル: 江戸川乱歩氏に対する私の感想
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  江戸川乱歩氏に「久作論」を頼んだから、私はそれに対する「乱歩論」を書けという註文が猟奇社から来ました。  私はとりあえずドキンとしましたが、あとから直ぐに「これは書けない」と思いました。  乱歩氏は私の未見の恩人の一人なのです。  乱歩氏はズット前に、私が生れて初めて書い....
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  • タイトル: ナンセンス
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  私には「探偵趣味」という意味がハッキリとわからない。 同時に「猟奇趣味」という言葉も甚だアイマイなように感じている。 しかもその癖に、そんな趣味の小説や絵画はナカナカ好きな方で、つまらないと思う作品にまでもツイ引きつけられて行く。 自分でも可笑しいと思っているが仕方がない。 ...
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  • タイトル: 所感
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要: 「アヤカシの鼓」当選後の所感を書けとのことですが、只今のところ私のあたまは諸大家の御評を拝してすっかりたたきつけられていまして、いくらか残っていた自画自讃みたような気もちまでもパンクしてしまったばかりのところなので、所感なぞいう気もちにはとてもなれません。 ですからここには只、私が... ...
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  • タイトル: 名娼満月
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  人皇百十六代桃園天皇の御治世。 徳川中興の名将軍吉宗公の後を受けた天下泰平の真盛り。 九代家重公の宝暦の初めっ方。 京都の島原で一と云われる松本楼に満月という花魁が居た。 五歳の年に重病の両親の薬代に代えられた松本楼の子飼いの娘ながら、名前の通り満月をそのままの美くしさ。 花ならば...
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  • タイトル: 白くれない
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要: 残怨白紅花盛  余多人切支丹寺 「ふうん読めんなあ。 これあ……まるで暗号じゃないかこれあ」  私は苦笑した。 二尺三寸ばかりの刀の中心に彫った文字を庭先の夕明りに透かしてみた。 「銘は別に無いようだがこの文句は銘の代りでもなさそうだ。 といって詩でもなし、和歌でもなし、漢文...
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  • タイトル: 斬られたさに
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要: 「アッハッハッハッハッ……」  冷めたい、底意地の悪るそうな高笑いが、小雨の中の片側松原から聞こえて来た。 小田原の手前一里足らず。 文久三年三月の末に近い暮六つ時であった。  石月平馬はフット立止った。 その邪悪な嘲笑に釣り寄せられるように松の雫に濡れながら近付いて行った。 ...
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  • タイトル: オンチ
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  大戦後の好景気に煽られた星浦製鉄所は、昼夜兼行の黒烟を揚げていた。 毎日の死傷者数名という景気で、数千人を収容する工場の到る処に、殺人的な轟音と静寂とがモノスゴく交錯していた。  汽鑵場の裏手に在る庭球場は、直ぐ横の赤煉瓦壁に静脈管のように匐い付いている......
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  • タイトル: 冥土行進曲
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  昭和×年四月二十七日午後八時半……。  下関発上り一二等特急、富士号、二等寝台車の上段の帷をピッタリと鎖して、シャツに猿股一つのまま枕元の豆電燈を灯けた。 ノウノウと手足を伸ばした序に、枕元に掛けた紺背広の内ポケットから匕首拵の短刀を取出して仰向になった......
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  • タイトル: 人間レコード
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  昭和×年の十月三日午後六時半。  玄海洋の颱風雲を帯びた曇天がもうトップリと暮れていた。  下関の桟橋へ着いた七千噸級の関釜連絡船、楽浪丸の一等船室から一人の見窄らしい西洋人がヒョロヒョロと出て来た。 背丈が日本人よりも低い貧弱な老人で、何の病気かわからないが骨と皮ばかりに瘠....
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  • タイトル: 継子
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  どこか遠くで一つか二つか鳴るボンボン時計の音を聞くと、睡むられずにいた玲子はソッと起上った。  屋根裏の窓に引っかかっている春の夜の黄色い片割月を見上げながら、洗い晒しの綿ネルの単衣一枚に細帯を一つ締めて、三階の物置の片隅に敷いてある薄ッペラな寝床から脱け出した。 鼻を抓まれて......
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  • タイトル: S岬西洋婦人絞殺事件
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  法医学的な探偵味を含んだ、且つ、残忍性を帯びた事件の実話を書けという註文であるが、今ここに書く事件は、遺憾ながら左の三項について、その筋に残っている公式の記録、もしくは筆者のノートと相違している筈である。  一、該事件発生地の地形、関係地名、人名  二、機密事項の内容  ... ...
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  • タイトル: 無系統虎列剌
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  法医学者の不平を話せ。 新聞に書くからって云うのかね。  アハハハハ。 御免蒙ろうよ。 不平が云いたい位なら最初からコンナ仕事に頭を突込みやしないよ。 モトモト物好きで這入った研究なんだから今更、不平を云ったって初まらないだろう。 新聞になんか書かれたら、いい恥晒しだぜ。 ...
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  • タイトル: 衝突心理
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  昭和九年四月一日の午前十時頃、神奈川県川崎の警察署へ新聞記者が五六人集まって、交通巡査から夕刊記事を貰っていた。  それは一寸聞いたところ、極めて簡単明瞭な交通事故であった。  その早朝の三時頃、京浜国道川崎市の東の出外れでトラック同志が衝突した。 突きかけた方は同県下子安、....
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  • タイトル: 老巡査
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  睦田老巡査はフト立ち止まって足下を見た。 黄色い角燈の光りの輪の中に、何やらキラリと黄金色に光るものが落ちていたからであった。  老巡査は角燈を地べたに置いた。 外套の頭巾を外して、シンカンと静まり返っている別荘地帯の真夜中の気はいに耳を澄ましたが、やがて手袋のまま外套の内ポケッ....
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  • タイトル: 冗談に殺す
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  私は「完全な犯罪」なぞいうものは空想の一種としか考えていなかった。 丸之内の某社で警察方面の外交記者を勤めて、あくまで冷酷な、現実的な事件ばかりで研ぎ澄まされて来た私の頭には、そんなお伽話じみた問題を浮かべ得る余地すら無かった。 そんな話題に熱中している友達......
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  • タイトル: ココナットの実
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  妾は今、神戸海岸通りのレストラン・エイシャの隅ッこに、ちょこりんと腰をかけている。 油気のない前髪をういういしく垂らして、紫ミラネーゼの派手な振袖を着て、金ピカの塩瀬を色気よく高々と背負っているのだから、ウッカリした男の眼には十四五ぐらいにしか、うつらないでしょうよ。 どうぞ、その......
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  • タイトル: 幽霊と推進機
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要: 元の日活会社長S・M氏といったら、その方面の古い関係者は大抵知っているであろう。 娑婆の波風の中でも一番荒い処を渡って来た人で、現在は香港に居住して日本人の父M翁と呼ばれている。 左記は同氏が、筆者に書いてくれないかと云って話した怪談の体験である。 かなり古い出来事ではあるが、純然たる....
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  • タイトル: 眼を開く
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は若い時分に、創作に専心したいために或る山奥の空家に引込んで、自炊生活をやったことがある。 そうしてその時に、人間というものの極く僅かばかりの不注意とか、手遅れとかいうものが、如何に深刻な悲劇を構成するものであるかということをシミジミ思い知らせられる出来事にぶつかったものである... ...
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  • タイトル: 黒白ストーリー
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要: 材木の間から ――1――  飯田町附近の材木置場の中に板が一面に立て並べてあった。 イナセな仕事着を着た若い者三平はその板をアチコチと並べ直しながらしきりにコワイロを使い、時には変な身ぶりを交ぜた。 三平は芝居気違いであった。  三平はふと耳を澄ました。 材木の...
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  • タイトル: 骸骨の黒穂
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:        1  まだ警察の仕事の大ザッパな、明治二十年頃のこと……。  人気の荒い炭坑都市、筑前、直方の警察署内で起った奇妙な殺人事件の話……。  煤煙に蔽われた直方の南の町外れに、一軒の居酒屋が在った。 周囲は毎年、遠賀川の浸水区域になる田圃と、野菜畑の中を、南の方....
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  • タイトル: 霊感!
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:      ――これは外国のお話―― 「ゲーッ。 ゲーッ。 ガワガワガワガワガワ」  という嘔吐の声が、玄関の方から聞えて来た……と思う間もなく看護婦が、 「……先生……先生……急患です……」  と叫びながら薬局を出て来る気はいがした。 ドクトル、オルデスオル、パーポンは顔を上げ....
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  • タイトル: 白菊
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  脱獄囚の虎蔵は、深夜の街道の中央に立ち悚んだ。  黒血だらけの引っ掻き傷と、泥と、ホコリに塗みれた素跣足の上に、背縫の開いた囚人服を引っかけて、太い、新しい荒縄をグルグルと胸の上まで巻き立てている彼の姿を見たら、大抵の者が震え上がったであろう。 毬栗頭を包んだ破れ手拭の上には、......
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  • タイトル: 名君忠之
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  この話の中に活躍する延寿国資と、金剛兵衛盛高の二銘刀は東京の愛剣家、杉山其日庵氏の秘蔵となって現存している。 従ってこの話は、黒田藩に起った事実を脚色したものであるが、しかし人名、町名と時代は差障りがあるから仮作にしておいた。 悪からず諒恕して頂きたい。 ....
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  • タイトル: 狂人は笑う
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要: 青ネクタイ 「ホホホホホホホ……」  だって可笑しいじゃありませんか。  ……妾はねえ。 失恋の結果世を儚なみて、何度も何度も自殺しかけたんですってさあ。  いいえ。 妾は知らないの。 そんな事をした記憶はチットも無いのよ。 初めっから失恋なんかしやしないわ。 ...
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  • タイトル: 復讐
    著者: 夢野久作
    出版社: ConTenDo
    概要:  昭和二年の二月中旬のこと……S岳の絶頂の岩山が二三日灰色の雲に覆われているうちに、麓の村々へ白いものがチラチラし始めたと思うと、近年珍らしい大雪になった。  その麓のS岳村から五六町離れた山裾に、この界隈での物持と云われている藤沢病院が建っていた。 田舎には珍らしい北欧型のスレ......
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