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原民喜

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  • タイトル: 氷花
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  三畳足らずの板敷の部屋で、どうかすると息も窒がりさうになるのであつた。 雨が降ると、隙間の多い硝子窓からしぶきが吹込むので、却つて落着かず、よく街を出歩いた。 「僕をいれてくれる屋根はどこにもない、雨は容赦なく僕の眼にしみるのだ」――以前読んだ書物の言葉が今はそのまま彼の身について......
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  • タイトル: 小さな村
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:   夕暮  青田の上の広い空が次第に光を喪つてゐた。 村の入口らしいところで道は三つに岐れ、水の音がしてゐるやうであつた。 私たちを乗せた荷馬車は軒とすれすれに一すぢの路へ這入つて行つた。 アイスキヤンデーの看板が目についた。 溝を走るたつぷりした水があつた。 家並は杜切れては...
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  • タイトル: 夏の花
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要: わが愛する者よ請う急ぎはしれ 香わしき山々の上にありて獐の ごとく小鹿のごとくあれ  私は街に出て花を買うと、妻の墓を訪れようと思った。 ポケットには仏壇からとり出した線香が一束あった。 八月十五日は妻にとって初盆にあたるのだが、それまでこのふるさとの街が無事かどう......
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  • タイトル: 永遠のみどり
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  梢をふり仰ぐと、嫩葉のふくらみに優しいものがチラつくようだった。 樹木が、春さきの樹木の姿が、彼をかすかに慰めていた。 吉祥寺の下宿へ移ってからは、人は稀れにしか訪ねて来なかった。 彼は一週間も十日も殆ど人間と会話をする機会がなかった。 外に出て、煙草を買うとき、「タバコを下さい」と...
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  • タイトル: 鎮魂歌
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  美しい言葉や念想が殆ど絶え間なく流れてゆく。 深い空の雲のきれ目から湧いて出てこちらに飛込んでゆく。 僕はもう何年間眠らなかったのかしら。 僕の眼は突張って僕の唇は乾いている。 息をするのもひだるいような、このふらふらの空間は、ここもたしかに宇宙のなかなのだろうか。 かすかに僕のな...
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  • タイトル: 廃墟から
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  八幡村へ移った当初、私はまだ元気で、負傷者を車に乗せて病院へ連れて行ったり、配給ものを受取りに出歩いたり、廿日市町の長兄と連絡をとったりしていた。 そこは農家の離れを次兄が借りたのだったが、私と妹とは避難先からつい皆と一緒に転がり込んだ形であった。 牛小屋の蠅は遠慮なく部屋中に群れ......
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  • タイトル: 壊滅の序曲
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  朝から粉雪が降っていた。 その街に泊った旅人は何となしに粉雪の風情に誘われて、川の方へ歩いて行ってみた。 本川橋は宿からすぐ近くにあった。 本川橋という名も彼は久し振りに思い出したのである。 むかし彼が中学生だった頃の記憶がまだそこに残っていそうだった、粉雪は彼の繊細な視覚を更に鋭く...
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  • タイトル: 火の唇
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  いぶきが彼のなかを突抜けて行った。 一つの物語は終ろうとしていた。 世界は彼にとってまだ終ろうとしていなかった。 すべてが終るところからすべては新しく始る、すべてが終るところからすべては新しく……と繰返しながら彼はいつもの時刻にいつもの路を歩いていた。 女はもういなかった、手袋を外し...
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  • タイトル: 死のなかの風景
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  妻が息をひきとったとき、彼は時計を見て時刻をたしかめた。  妻の母は、念仏を唱えながら、隣室から、小さな仏壇を抱えて来ると、妻の枕許の床の間にそっと置いた。 すると、何か風のようなものが彼の背後で揺れた。 と、彼ははじめて悲しみがこみあげて来た。 彼はこれまでに、父や母の死に遭遇...
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  • タイトル: 美しき死の岸に
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  何かうっとりさせるような生温かい底に不思議に冷気を含んだ空気が、彼の頬に触れては動いてゆくようだった。 図書館の窓からこちらへ流れてくる気流なのだが、凝と頬をその風にあてていると、魂は魅せられたように彼は何を考えるともなく思い耽っているのだった。 一秒、一秒の静かな光線の足どりがこ......
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  • タイトル: 冬日記
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  真白い西洋紙を展げて、その上に落ちてくる午後の光線をぼんやり眺めていると、眼はその紙のなかに吸込まれて行くようで、心はかすかな光線のうつろいに悶えているのであった。 紙を展べた机は塵一つない、清らかな、冷たい触感を湛えた儘、彼の前にあった。 障子の硝子越しに、黐の樹が見え、その樹の......
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  • タイトル: 秋日記
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  緑色の衝立が病室の内部を塞いでいたが、入口の壁際にある手洗の鏡に映る姿で、妻はベッドに寝たまま、彼のやって来るのを知るのだった。 一号室の扉のところまで来ると、奥にいる妻の気配や、そちらへ近づいて行こうとする微かに改まった気分を意識しながら、衝立をめぐって、ベッドのところへ彼がや... ...
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  • タイトル: 苦しく美しき夏
    著者: 原民喜
    出版社: ConTenDo
    概要:  陽の光の圧迫が弱まってゆくのが柱に凭掛っている彼に、向側にいる妻の微かな安堵を感じさせると、彼はふらりと立上って台所から下駄をつっかけて狭い裏の露次へ歩いて行ったが、何気なく隣境の空を見上げると高い樹木の梢に強烈な陽の光が帯のように纏わりついていて、そこだけが赫と燃えているよう... ...
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