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田中貢太郎

検索結果223件中46件から90件までを表示
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  • タイトル: 鼓の音
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  柳橋の船宿の主翁は、二階の梯子段をあがりながら、他家のようであるがどうも我家らしいぞ、と思った。 二階の方では、とん、とん、とん、と云う小鼓の音がしていた。  風の無い晴れきった、世の中がうつらうつらしているようにおもわれる春の日の正午過ぎであった。 数多抱えている婢達は、それぞ....
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  • タイトル: 切支丹転び
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  大久保相模守は板倉伊賀守と床几を並べて、切支丹の宗徒の手入を検視していた。 四条派の絵画をそのままに青々とした岸の柳に対して、微藍の色を絡めて流れていた鴨河の水も、その日は毒々しく黒ずんで見えた。  それは慶長十七年三月のことであった。 切支丹の邪宗を禁じて南蛮寺を毀った豊臣秀吉....
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  • タイトル: 馬の顔
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  暗い中から驟雨のような初夏の雨が吹きあげるように降っていた。 道夫は傾斜の急な径を日和下駄を穿いた足端でさぐりさぐりおりて往った。 街燈一つないその路は曲りくねっているので、一歩あやまれば転がって尻端折にしている単衣を赭土だらけにするか、根笹や青薄に交って漆の木などの生えた藪畳の中......
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  • タイトル: 雨夜草紙
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: Ⅰ  小さくなった雨が庭の無花果の葉にぼそぼそと云う音をさしていた。 静かな光のじっと沈んだ絵のような電燈の下で、油井伯爵の遺稿を整理していた山田三造は、机の上に積み重ねた新聞雑誌の切抜や、原稿紙などに書いたものを、あれ、これ、と眼をとおして、それに朱筆を入れていた。 当代......
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  • タイトル: 悪僧
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  何時の比のことであったか朝鮮の王城から南に当る村に鄭と云う老宰相が住んでいた。 その宰相の家には宣揚と云う独り児の秀才があったが、それが十八歳になると父の宰相は、同族の両班の家から一人の女を見つけて来てそれを我が児の嫁にした。  宣揚の夫人となった女は花のような姿をしていた。 宣....
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  • タイトル: 赤い花
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: Ⅰ  明治十七八年と云えば自由民権運動の盛んな時で、新思潮に刺戟せられた全国の青年は、暴戻な政府の圧迫にも屈せず、民権の伸張に奔走していた。 その時分のことであった。  東京小石川の某町に、葛西と云って、もと幕臣であった富裕な家があって、当主の芳郎と云うのは仏蘭西がえり......
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  • タイトル: 赤い土の壺
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  永禄四年の夏のことであった。 夕陽の落ちたばかりの長良川の磧へ四人伴の鵜飼が出て来たが、そのうちの二人は二羽ずつの鵜を左右の手端にとまらし、後の二人のうちの一人は艪を肩にして、それに徳利や椀などを入れた魚籃を掛け、一人は莚包を右の小脇に抱え、左の小脇に焼明の束を抱えていた。 皆同じ......
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  • タイトル: 藍微塵の衣服
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  これは東京の芝区にあった話である。 芝区の某町に質屋があって、そこの女房が五歳か六歳になる女の子を残して病死したので、所天は後妻を貰った。  後妻と云うのは、気質の従順な、何時も愉快そうな顔をしている女で、継子に対しても真の母親のような愛情を見せたので、継子も非常に懐いて、所天......
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  • タイトル: 藍瓶
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  玄関の格子戸がずりずりと開いて入って来た者があるので、順作は杯を持ったなりに、その前に坐った女の白粉をつけた眼の下に曇のある顔をちょと見てから、右斜にふりかえって玄関のほうを見た。 そこには煤けた障子が陰鬱な曇日の色の中に浮いていた。 「何人だろう」  何人にも知れないように......
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  • タイトル: 黒い蝶
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  義直は坂路をおりながらまた叔父のことを考へた。 それは女と一緒にゐた時にも電車の中でも考へたことであつたが、しかしそれは、叔父が自分の帰りの遅いのを怒つて待つてゐるだらうと云ふことであつたが、あの時のはその叔父が自分の家へ来て坐つてゐるやうな感じが加はつてゐた。 義直は困......
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  • タイトル: 白いシヤツの群
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  清は仲間の安三から金の分け前を要求せられてゐた。 彼はそれを傍の者に知られないやうにと、自分の眼の前へひよつとこ顔を突出してゐる相手の言葉を押へつけた。 「まア、飲め、飲め、酒を飲まない奴は、話せないよ」  清はビールのビンを手にして安三のカツプに注いだ。 「酒も飲むがな。 ...
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  • タイトル:
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  二十歳前後のメリヤスの半シヤツの上に毛糸の胴巻をした若衆がよろよろと立ちあがつて、片手を打ち振るやうにして、 「これから、浪花節をやりまアす、皆さん聞いておくんなさい、」  そして隣のテーブルへ行つて、其所に置いてあつた白い扇を取つて、テーブルの上をバタバタと敲き出した。 そ... ...
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  • タイトル: 海異志
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  源吉は薄青い月の光を沿びて砂利の交つた砂路を歩いてゐた。 左側は穂の出揃うた麦畑になつて右側は別荘の土手になつてゐた。 土手には芝草が生えてその上に植ゑた薔薇の花が月の光にほの白く見えてゐた。 源吉は人の足音がするのではないかと思つて又歩くことをやめて耳を澄ました。 そして...
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  • タイトル: 雨夜詞
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  給仕女のお菊さんは今にもぶらりとやつて来さうに思はれる客の来るのを待つてゐた。 電燈の青白く燃えだしたばかりの店には、二人の学生が来てそれが入口の右側になつたテーブルに着いて、並んで背後の板壁に背を凭せるやうにしてビールを飲んでゐた。 其所にはお菊さんの朋輩のお幸ちやんがゐて、赤い......
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  • タイトル: あかんぼの首
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  赤インキの滲んだやうな暑い陽の光があつた。 陽の光は谷の下の人家の塀越しに見える若葉を照らしてゐた。 若葉の中には塩竈桜か何かであらう、散り残りの白いあざれたやうな花弁があつて、それが青味だつて吹いて来る風に胡蝶のやうにちらちらと散つた。 花弁は崖の上の蕗の葉の上にも落ちた....
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  • タイトル: 赤い牛
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  長野県の上田市にある上田城は、名将真田幸村の居城として知られているが、その上田城の濠の水を明治初年になって、替え乾そうと云う事になった。 そして、いよいよその日になると、附近の人びとは好奇心に駆られて、早朝から手伝いやら見物やらで押しかけて来た。  その日は朝からからっと晴れた......
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  • タイトル: 寄席の没落
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  少し古い土地の人なら、八丁堀に岡吉と云う色物専門の寄席があったのを記憶しているはずである。 その寄席の経営者は米と云う仕事師であった。  その米の叔父に一人の僧侶があったが、それが廻国に出かけることになって、僧侶には路銀は不要だと云うので、三百円の金を米に預けて往った。 そして、....
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  • タイトル: 妖蛸
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  明治二十二三年比のことであった。 詩人啄木の碑で知られている函館の立待岬から、某夜二人の男女が投身した。 男は山下忠助と云う海産問屋の公子で、女はもと函館の花柳界で知られていた水野米と云う常磐津の師匠であった。  男の死体はその翌日になって発見せられたが、女の死体はあがらなかった....
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  • タイトル: 妖女の舞踏する踏切
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  品川駅の近くに魔の踏切と云われている踏切がある。 数年前、列車がその踏切にさしかかったところで、一方の闇から一人の青年がふらふらと線路の中へ入って来た。 機関手は驚いて急停車してその青年を叱りつけた。 「前途のある青年が、何故そんなつまらんことをする」  すると、青年ははじめて....
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  • タイトル: 屋根の上の黒猫
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  昭和九年の夏、横井春野君が三田稲門戦の試合を見て帰って来たところで、その時千葉の市川にいた令弟の夫人から、 「病気危篤、すぐ来い」  と云う電報が来た。 横井君は令弟の容態を心配だから、夜もいとわずに市川へ駈けつけた。 そして、令弟の家の門口を潜ろうとして、何気なく屋根の上へ眼......
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  • タイトル: 疫病神
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  長谷川時雨女史の実験談であるが、女史が佃島にいた比、令妹の春子さんが腸チブスに罹って離屋の二階に寝ていたので、その枕頭につきっきりで看護していた。  それは夜であったが、その時病人がうなされていた。 女史は何の気なしに床の間の方へ眼をやった。 そこの床の間の隅に十五六ぐらいの少年....
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  • タイトル: 魔の電柱
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  昭和十年九月二十八日の夜の八時比、駒込神明町行の市電が、下谷池の端の弁天前を進行中、女の乗客の一人が、何かに驚いたように不意に悲鳴をあげて、逃げ出そうとでもするようにして上半身を窓の外へ出したところで、そこにあったセンターポールで顔を打って昏倒した。  その女客は浅草区西鳥越... ...
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  • タイトル: 母の変死
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  よく肉親の身の上に変事があると、その知らせがあると云いますが、私にもそうした経験があります。  私の母は六十七歳で変死したのですが、今でもその時の事を思いだしますと、悲しくてしかたがありません。 それは秋のことでしたが、母は長い間口癖のように云っていた善光寺参詣をする事になって......
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  • タイトル: 隧道内の怪火
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  兵庫県と岡山県の境になった上郡と三石間の隧道の開鑿工事は、多くの犠牲者を出してようやく竣工しただけに、ここを通る汽車は、その車輪の音までが、 「骨がたりない、トコトコトン」  と聞えると云って、車掌たちから恐れられていた。  それは十数年前の夏の夜のことであった。 新らしく......
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  • タイトル: 天井からぶらさがる足
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  小説家の山中峯太郎君が、広島市の幟町にいた比のことであった。 それは山中君がまだ九つの時で、某夜近くの女学校が焼けだしたので、家人は裏の畑へ往ってそれを見ていた。 その時山中君は、ただ一人台所へ往って立っていたが、何かしら悪寒を感じて眼をあげた。 と、すぐ頭の上の天井から不意に大きな....
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  • タイトル: 天井裏の妖婆
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  鏑木清方画伯の夫人が産褥熱で入院した時の話である。  その夫人が入院した時は夜で、しかもひどく遅かった。 夫人はその時吊台で病院に運ばれたが、その途中吊台の被の隙から外の方を見ると、寒詣りらしい白衣の一面に卍を書いた行者らしい男が、手にした提灯をぶらぶらさせながら後になり前にな......
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  • タイトル: 前妻の怪異
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  長崎市の今博多町、中島川に沿うた処に、竹田と云う青年が住んでいた。 そこは隣家の高い二階家に遮られて、東に面した窓口から、僅かに朝の半時間ばかり、二尺くらいの陽が射しこむきりで、微暗い湿っぽい家であった。  青年は東京で大学を終えて、暫く山の手に住んでいて帰って来たものであるが......
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  • タイトル: 千匹猿の鍔
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  大正十二年九月一日、高橋秀臣君は埼玉県下へ遊説に往っていたが、突如として起った大震災の騒ぎに、翌二日倉皇として神田錦町の自宅へ帰ったが、四辺は一面の焼野原。 やっとのことで家族の行方を捜し当たが、家族は着のみ着のままで、家財道具などは何一つ持ち出していなかった。 無論家宝として高橋......
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  • タイトル: 戦死者の凱旋
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  この話は長谷川伸君から聞いた話であるが、長谷川君は日露役の際、即ち明治三十七年の暮に、補充兵として国府台の野砲連隊へ入営した。 その時長谷川君のいた第六中隊は、中隊長代理として畑俊六将軍がいた。  長谷川君はその野砲連隊に入営中、不思議な事を経験した。 それは昔から良く云う草木も....
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  • タイトル: 死んでいた狒狒
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  昔から山には魑魅、水には魍魎がおると云われているが、明治二十年比の事であった。 日向の山奥で森林を伐採した事があって、附近の者は元より他国からも木客が集まって来たが、その木客だちは、昼は鬱蒼たる森林の中ではたらき、夜は麓に近い山小屋へ帰って来た。  それは夏の夜の事であった。 木....
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  • タイトル: 死体を喫う学生
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  北海道の○○大学は、後に農園があって、側面が運動場になっているが、その運動場の端れから農園にかけて草の堤が続き、そして堤の外は墓場になっていた。  年代は不明であるが、その大学に、某と云う学生がいた。 色の蒼い脊のひょろ長い陰気な青年であった。 その学生は何時も一人で、校舎や運動....
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  • タイトル: 狐狗狸の話
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  コクリと云う遊戯は、海外から渡来したものであって、渡来期は正確には判らないが、明治十六年比、米国船が伊豆の下田へ寄港した時、水夫の一人がそれを伝えたと云われている。  コクリの遊戯をするには、まず女竹を見つけて来て、節を揃えて一尺二寸に切った物を三本作り、それを交叉して中心を... ...
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  • タイトル: 空中に消えた兵曹
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  大正七八年比のことであった。 横須賀航空隊のN大尉とS中尉は、それぞれ陸上偵察機を操縦してA飛行場に向けて長距離飛行を行い、目的地に到著して機翼をやすめるひまもなく、直ちに帰還の途についた。  両機は一千米の高度を保ちながら雁行していたが、箱根の上空にさしかかったところで、密雲......
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  • タイトル: 怪談会の怪異
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  震災の前であった。 白画堂の三階で怪談会をやったことがあった。 出席者は泉鏡花、喜多村緑郎、鈴木鼓村、市川猿之助、松崎天民などで、蓮の葉に白い強飯を乗せて出し、灯明は電灯を消して盆燈籠を点け、一方に高座を設けて、譚をする者は皆その高座にあがった。  数人の怪異譚がすむと、背広服を....
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  • タイトル: お化の面
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  怪談浪曲師浪華綱右衛門の家に、怪奇なお化の面があった。 縦が二尺横が一尺で、左の眼は乳房が垂れさがったように垂れて、右の眼は初月のような半眼、それに蓬蓬の髪の毛、口は五臓六腑が破れ出た血に擬わして赤い絵具を塗り、その上処どころ濃鼠の布で膏薬張をしてあった。  それは初代林家正蔵......
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  • タイトル: 海坊主
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  これは小説家泉鏡花氏の話である。  房州の海岸に一人の壮い漁師が住んでいた。 某日その漁師の女房が嬰児の守をしながら夕飯の準備をしていると、表へどこからともなく薄汚い坊主が来て、家の中をじろじろと覗き込んだ。 女房はそれを見て、御飯でも貰いに来たのだろうと思って、早速握飯をこしら....
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  • タイトル: 虎杖採り
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  閨秀画家の80伊藤美代乃女史は、秋田の出身であるが、その女史が小さい時、それは晩春の事であった。 某日隣の友達と裏の田圃へ出て、虎杖を採って遊んでいると、どこからともなく六十位の優しそうな老人が来て、 「わしにもおくれ」  と云うので、採っていた虎杖を二つ三つやると、老人は皮... ...
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  • タイトル: 終電車に乗る妖婆
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  怪談も生活様式の変化によって変化する。 駕籠ができれば駕籠に怪しい者が乗り、人力車ができれば人力車に、鉄道馬車ができれば鉄道馬車に、汽車ができれば汽車に、電車ができれば電車に、自動車ができれば自動車に、飛行機ができれば飛行機に、怪しい者が乗るのである。 大正十三年の春の比芝宇田川町......
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  • タイトル: 山寺の怪
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  宿の主将を対手にして碁を打っていた武士は、その碁にも飽いて来たので主翁を伴れて後の庭へ出た。 そこは湯本温泉の温泉宿であった。 摺鉢の底のような窪地になった庭の前には薬研のように刳れた渓川が流れて、もう七つさがりの輝のない陽が渓川の前方に在る山を静に染めていた。 山の麓の渓川の岸には....
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  • タイトル: 竈の中の顔
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: Ⅰ 「今日も負かしてやろうか」  相場三左衛門はそう云ってから、碁盤を中にして己と向いあっている温泉宿の主翁の顔を見て笑った。 「昨日は、あまり口惜しゅうございましたから、睡らず工夫しました、今日はそう負けはいたしません」  主翁は淋しそうに笑って手にした石をおろしは... ...
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  • タイトル: 真紅な帆の帆前船
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  遠江の御前崎へ往ったのは大正十四年の二月二日であった。 岬には燈台があって無線電信の設備もあった。 その燈台の燈光は六十三万燭で十九浬半の遠距離に及ぶ回転燈であった。 私は燈台の中を見せてもらって、その後で窓の外へ眼をやった。 沖あい遥に霞の中に、敷根らしい島と大島らしい島のどんより...
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  • タイトル: 二通の書翰
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  小説家後藤宙外氏が鎌倉に住んでいた比のことであると云うから、明治三十年前後のことであろう、その時鎌倉の雪の下、つまり八幡宮の前に饅頭屋があって、東京から避暑に往っていた××君がその前を通っていると、饅頭屋の主翁が出て来て、 「あなたは××さんと云う方ではございませんか」  ... ...
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  • タイトル: 通魔
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  旧幕の比であった。 江戸の山の手に住んでいる侍の一人が、某日の黄昏便所へ往って手を洗っていると手洗鉢の下の葉蘭の間から鬼魅の悪い紫色をした小さな顔がにゅっと出た。  その侍は胆力が据っていたので、別に驚きもせずに、おかしなものが出たな、と、平気な顔をしていると、その顔は直ぐ消え......
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  • タイトル: 長崎の電話
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  京都西陣の某と云う商店の主人は、遅い昼飯を喫って店の帳場に坐っていると電話のベルが鳴った。 主人は己で起って電話口へ出てみると聞き覚えのある声で、 「あなたは――ですか」  と云ってこちらの名前を聞くので、 「そうです、あなたはどなたです」  と聞くと、 「わたしは○○... ...
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  • タイトル: 築地の川獺
    著者: 田中貢太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  小泉八雲の書いた怪談の中には、赤坂に出る目も鼻もないのっぺらぼうの川獺のことがあるが、築地の周囲の運河の水にも数多の川獺がいて、そこにも川獺の怪異が伝わっていた。  元逢引橋などのあった三角の水隈には、今度三角の不思議な橋が架ったが、あの辺は地震比まで川獺の噂があって逢引橋の... ...
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