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  • タイトル: 西方の人
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要: 1 この人を見よ  わたしは彼是十年ばかり前に芸術的にクリスト教を――殊にカトリツク教を愛してゐた。 長崎の「日本の聖母の寺」は未だに私の記憶に残つてゐる。 かう云ふわたしは北原白秋氏や木下杢太郎氏の播いた種をせつせと拾つてゐた鴉に過ぎない。 それから又何年か前にはクリスト教の為....
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  • タイトル: 猿蟹合戦
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  蟹の握り飯を奪った猿はとうとう蟹に仇を取られた。 蟹は臼、蜂、卵と共に、怨敵の猿を殺したのである。 ――その話はいまさらしないでも好い。 ただ猿を仕止めた後、蟹を始め同志のものはどう云う運命に逢着したか、それを話すことは必要である。 なぜと云えばお伽噺は全然このことは話していない。 ...
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  • タイトル:
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  私が、遠洋航海をすませて、やつと半玉(軍艦では、候補生の事をかう云ふのです)の年期も終らうと云ふ時でした。 私の乗つてゐたAが、横須賀へ入港してから、三日目の午後、彼是三時頃でしたらう。 勢よく例の上陸員整列の喇叭が鳴つたのです。 確、右舷が上陸する順番になつてゐたと思ひますが、それ....
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  • タイトル: 三右衛門の罪
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  文政四年の師走である。 加賀の宰相治修の家来に知行六百石の馬廻り役を勤める細井三右衛門と云う侍は相役衣笠太兵衛の次男数馬と云う若者を打ち果した。 それも果し合いをしたのではない。 ある夜の戌の上刻頃、数馬は南の馬場の下に、謡の会から帰って来る三右衛門を闇打ちに打ち果そうとし、反って三....
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  • タイトル: 寒さ
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある雪上りの午前だった。 保吉は物理の教官室の椅子にストオヴの火を眺めていた。 ストオヴの火は息をするように、とろとろと黄色に燃え上ったり、どす黒い灰燼に沈んだりした。 それは室内に漂う寒さと戦いつづけている証拠だった。 保吉はふと地球の外の宇宙的寒冷を想像しながら、赤あかと熱した石...
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  • タイトル: 西郷隆盛
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  これは自分より二三年前に、大学の史学科を卒業した本間さんの話である。 本間さんが維新史に関する、二三興味ある論文の著者だと云う事は、知っている人も多いであろう。 僕は昨年の冬鎌倉へ転居する、丁度一週間ばかり前に、本間さんと一しょに飯を食いに行って、偶然この話を聞いた。  それがど....
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  • タイトル: 道祖問答
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  天王寺の別当、道命阿闍梨は、ひとりそっと床をぬけ出すと、経机の前へにじりよって、その上に乗っている法華経八の巻を灯の下に繰りひろげた。  切り燈台の火は、花のような丁字をむすびながら、明く螺鈿の経机を照らしている。 耳にはいるのは几帳の向うに横になっている和泉式部の寝息であろう......
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  • タイトル:
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:         一  宇治の大納言隆国「やれ、やれ、昼寝の夢が覚めて見れば、今日はまた一段と暑いようじゃ。 あの松ヶ枝の藤の花さえ、ゆさりとさせるほどの風も吹かぬ。 いつもは涼しゅう聞える泉の音も、どうやら油蝉の声にまぎれて、反って暑苦しゅうなってしもうた。 どれ、また童部たちに....
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  • タイトル: るしへる
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要: 天主初成世界  随造三十六神  第一鉅神  云輅斉布児(中略)  自謂其智与天主等  天主怒而貶入地獄(中略)  輅斉雖入地獄受苦  而一半魂神作魔鬼遊行世間  退人善念 ―左闢第三闢裂性中艾儒略荅許大受語― 一  破提宇子と云う天主教を弁難した書物のある事は、知っ... ...
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  • タイトル: 路上
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:         一  午砲を打つと同時に、ほとんど人影の見えなくなった大学の図書館は、三十分経つか経たない内に、もうどこの机を見ても、荒方は閲覧人で埋まってしまった。  机に向っているのは大抵大学生で、中には年輩の袴羽織や背広も、二三人は交っていたらしい。 それが広い空間を......
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  • タイトル: 老年
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  橋場の玉川軒と云う茶式料理屋で、一中節の順講があった。  朝からどんより曇っていたが、午ごろにはとうとう雪になって、あかりがつく時分にはもう、庭の松に張ってある雪よけの縄がたるむほどつもっていた。 けれども、硝子戸と障子とで、二重にしめきった部屋の中は、火鉢のほてりで、のぼせる......
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  • タイトル: 六の宮の姫君
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  六の宮の姫君の父は、古い宮腹の生れだつた。 が、時勢にも遅れ勝ちな、昔気質の人だつたから、官も兵部大輔より昇らなかつた。 姫君はさう云ふ父母と一しよに、六の宮のほとりにある、木高い屋形に住まつてゐた。 六の宮の姫君と云ふのは、その土地の名前に拠つたのだつた。.....
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  • タイトル: 或恋愛小説
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある婦人雑誌社の面会室。  主筆 でっぷり肥った四十前後の紳士。  堀川保吉 主筆の肥っているだけに痩せた上にも痩せて見える三十前後の、――ちょっと一口には形容出来ない。 が、とにかく紳士と呼ぶのに躊躇することだけは事実である。  主筆 今度は一つうちの雑誌に小説を書いて...
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  • タイトル: 羅生門
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある日の暮方の事である。 一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。  広い門の下には、この男のほかに誰もいない。 ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。 羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はあ...
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  • タイトル: お富の貞操
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  明治元年五月十四日の午過ぎだつた。 「官軍は明日夜の明け次第、東叡山彰義隊を攻撃する。 上野界隈の町家のものは匇々何処へでも立ち退いてしまへ。」――さう云ふ達しのあつた午過ぎだつた。 下谷町二丁目の小間物店、古河屋政兵衛の立ち退いた跡には、台所の隅の蚫貝の前に....
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  • タイトル: おしの
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ここは南蛮寺の堂内である。 ふだんならばまだ硝子画の窓に日の光の当っている時分であろう。 が、今日は梅雨曇りだけに、日の暮の暗さと変りはない。 その中にただゴティック風の柱がぼんやり木の肌を光らせながら、高だかとレクトリウムを守っている。 それからずっと堂の奥に常燈明の油火が一つ、龕...
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  • タイトル: お律と子等と
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:         一  雨降りの午後、今年中学を卒業した洋一は、二階の机に背を円くしながら、北原白秋風の歌を作っていた。 すると「おい」と云う父の声が、突然彼の耳を驚かした。 彼は倉皇と振り返る暇にも、ちょうどそこにあった辞書の下に、歌稿を隠す事を忘れなかった。 が、幸い父の賢造は....
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  • タイトル: 大川の水
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  自分は、大川端に近い町に生まれた。 家を出て椎の若葉におおわれた、黒塀の多い横網の小路をぬけると、すぐあの幅の広い川筋の見渡される、百本杭の河岸へ出るのである。 幼い時から、中学を卒業するまで、自分はほとんど毎日のように、あの川を見た。 水と船と橋と砂洲と、水の上に生まれて水の上に暮....
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  • タイトル: 或日の大石内蔵助
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  立てきった障子にはうららかな日の光がさして、嵯峨たる老木の梅の影が、何間かの明みを、右の端から左の端まで画の如く鮮に領している。 元浅野内匠頭家来、当時細川家に御預り中の大石内蔵助良雄は、その障子を後にして、端然と膝を重ねたまま、さっきから書見に余念がない。 書物は恐らく、細川家の......
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  • タイトル: 温泉だより
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ……わたしはこの温泉宿にもう一月ばかり滞在しています。 が、肝腎の「風景」はまだ一枚も仕上げません。 まず湯にはいったり、講談本を読んだり、狭い町を散歩したり、――そんなことを繰り返して暮らしているのです。 我ながらだらしのないのには呆れますが。 (作者註。 この間に桜の散っている...
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  • タイトル:
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  雌蜘蛛は真夏の日の光を浴びたまま、紅い庚申薔薇の花の底に、じっと何か考えていた。  すると空に翅音がして、たちまち一匹の蜜蜂が、なぐれるように薔薇の花へ下りた。 蜘蛛は咄嗟に眼を挙げた。 ひっそりした真昼の空気の中には、まだ蜂の翅音の名残りが、かすかな波動を残していた。  雌...
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  • タイトル: お時儀
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  保吉は三十になったばかりである。 その上あらゆる売文業者のように、目まぐるしい生活を営んでいる。 だから「明日」は考えても「昨日」は滅多に考えない。 しかし往来を歩いていたり、原稿用紙に向っていたり、電車に乗っていたりする間にふと過去の一情景を鮮かに思い浮べることがある。 それは従来...
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  • タイトル: 老いたる素戔嗚尊
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  高志の大蛇を退治した素戔嗚は、櫛名田姫を娶ると同時に、足名椎が治めてゐた部落の長となる事になつた。  足名椎は彼等夫婦の為に、出雲の須賀へ八広殿を建てた。 宮は千木が天雲に隠れる程大きな建築であつた。  彼は新しい妻と共に、静な朝夕を送り始めた。 風の...
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  • タイトル: 往生絵巻
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要: 童 やあ、あそこへ妙な法師が来た。 みんな見ろ。 みんな見ろ。 鮓売の女 ほんたうに妙な法師ぢやないか? あんなに金鼓をたたきながら、何だか大声に喚いてゐる。 …… 薪売の翁 わしは耳が遠いせゐか、何を喚くのやら、さつぱりわからぬ。 もしもし、あれは何と云うて居りますな? 箔...
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  • タイトル: おぎん
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  元和か、寛永か、とにかく遠い昔である。  天主のおん教を奉ずるものは、その頃でももう見つかり次第、火炙りや磔に遇わされていた。 しかし迫害が烈しいだけに、「万事にかない給うおん主」も、その頃は一層この国の宗徒に、あらたかな御加護を加えられたらしい。 長崎あたりの村々には、時々日の....
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  • タイトル: 尾形了斎覚え書
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  今般、当村内にて、切支丹宗門の宗徒共、邪法を行ひ、人目を惑はし候儀に付き、私見聞致し候次第を、逐一公儀へ申上ぐ可き旨、御沙汰相成り候段屹度承知仕り候。  陳者、今年三月七日、当村百姓与作後家篠と申す者、私宅へ参り、同人娘里(当年九歳)大病に付き、検脈致し呉れ候様、懇々頼入り候... ...
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  • タイトル: 女体
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  楊某と云う支那人が、ある夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、頬杖をつきながら腹んばいになって、とりとめのない妄想に耽っていると、ふと一匹の虱が寝床の縁を這っているのに気がついた。 部屋の中にともした、うす暗い灯の光で、虱は小さな背中を銀の粉のように光らせながら、隣に寝ている細君の... ...
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  • タイトル: 沼地
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある雨の降る日の午後であった。 私はある絵画展覧会場の一室で、小さな油絵を一枚発見した。 発見――と云うと大袈裟だが、実際そう云っても差支えないほど、この画だけは思い切って彩光の悪い片隅に、それも恐しく貧弱な縁へはいって、忘れられたように懸かっていたのである。 画は確か、「沼地」とか....
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  • タイトル: 野呂松人形
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  野呂松人形を使うから、見に来ないかと云う招待が突然来た。 招待してくれたのは、知らない人である。 が、文面で、その人が、僕の友人の知人だと云う事がわかった。 「K氏も御出の事と存じ候えば」とか何とか、書いてある。 Kが、僕の友人である事は云うまでもない。 ――僕は、ともかくも、招待...
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  • タイトル:
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:      上  それはこの宿の本陣に当る、中村と云ふ旧家の庭だつた。  庭は御維新後十年ばかりの間は、どうにか旧態を保つてゐた。 瓢箪なりの池も澄んでゐれば、築山の松の枝もしだれてゐた。 栖鶴軒、洗心亭、――さう云ふ四阿も残つてゐた。 池の窮まる裏山の崖には、白々と滝も落ち続...
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  • タイトル: 日光小品
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:      大谷川  馬返しをすぎて少し行くと大谷川の見える所へ出た。 落葉に埋もれた石の上に腰をおろして川を見る。 川はずうっと下の谷底を流れているので幅がやっと五、六尺に見える。 川をはさんだ山は紅葉と黄葉とにすきまなくおおわれて、その間をほとんど純粋に近い藍色の水が白い泡を噴....
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  • タイトル: 尼提
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  舎衛城は人口の多い都である。 が、城の面積は人口の多い割に広くはない。 従ってまた厠溷も多くはない。 城中の人々はそのためにたいていはわざわざ城外へ出、大小便をすることに定めている。 ただ波羅門や刹帝利だけは便器の中に用を足し、特に足を労することをしない。 しかしこの便器の中の糞尿...
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  • タイトル: 鼠小僧次郎吉
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  或初秋の日暮であつた。  汐留の船宿、伊豆屋の表二階には、遊び人らしい二人の男が、さつきから差し向ひで、頻に献酬を重ねてゐた。  一人は色の浅黒い、小肥りに肥つた男で、形の如く結城の単衣物に、八反の平ぐけを締めたのが、上に羽織つた古渡り唐桟の半天と一......
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  • タイトル: 年末の一日
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ………僕は何でも雑木の生えた、寂しい崖の上を歩いて行った。 崖の下はすぐに沼になっていた。 その又沼の岸寄りには水鳥が二羽泳いでいた。 どちらも薄い苔の生えた石の色に近い水鳥だった。 僕は格別その水鳥に珍しい感じは持たなかった。 が、余り翼などの鮮かに見えるのは無気味だった。 ―...
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  • タイトル:
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  おれは締切日を明日に控えた今夜、一気呵成にこの小説を書こうと思う。 いや、書こうと思うのではない。 書かなければならなくなってしまったのである。 では何を書くかと云うと、――それは次の本文を読んで頂くよりほかに仕方はない。        ―――――――――――――――――――...
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  • タイトル: 南京の基督
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  或秋の夜半であつた。 南京奇望街の或家の一間には、色の蒼ざめた支那の少女が一人、古びた卓の上に頬杖をついて、盆に入れた西瓜の種を退屈さうに噛み破つてゐた。  卓の上には置きランプが、うす暗い光を放つてゐた。 その光は部屋の中を明くすると云ふよりも、寧ろ一層....
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  • タイトル: 長崎小品
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  薄暗き硝子戸棚の中。 絵画、陶器、唐皮、更緲、牙彫、鋳金等種々の異国関係史料、処狭きまでに置き並べたるを見る。 初夏の午後。 遙にちやるめらの音聞ゆ。  久しき沈黙の後、司馬江漢筆の蘭人、突然悲しげに歎息す。  古伊万里の茶碗に描かれたる甲比丹、(蘭人を顧みつつ)どうしたね...
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  • タイトル: 妙な話
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある冬の夜、私は旧友の村上と一しょに、銀座通りを歩いていた。 「この間千枝子から手紙が来たっけ。 君にもよろしくと云う事だった。」  村上はふと思い出したように、今は佐世保に住んでいる妹の消息を話題にした。 「千枝子さんも健在だろうね。」 「ああ、この頃はずっと達者のよう....
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  • タイトル:
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  書紀によると、日本では、推古天皇の三十五年春二月、陸奥で始めて、貉が人に化けた。 尤もこれは、一本によると、化レ人でなくて、比レ人とあるが、両方ともその後に歌之と書いてあるから、人に化けたにしろ、人に比ったにしろ、人並に唄を歌った事だけは事実らしい。  それより以前にも、垂仁紀......
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  • タイトル: 毛利先生
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  歳晩のある暮方、自分は友人の批評家と二人で、所謂腰弁街道の、裸になった並樹の柳の下を、神田橋の方へ歩いていた。 自分たちの左右には、昔、島崎藤村が「もっと頭をあげて歩け」と慷慨した、下級官吏らしい人々が、まだ漂っている黄昏の光の中に、蹌踉たる歩みを運んで行く。 期せずして、同じく憂......
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  • タイトル: 桃太郎
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  むかし、むかし、大むかし、ある深い山の奥に大きい桃の木が一本あった。 大きいとだけではいい足りないかも知れない。 この桃の枝は雲の上にひろがり、この桃の根は大地の底の黄泉の国にさえ及んでいた。 何でも天地開闢の頃おい、伊弉諾の尊は黄最津平阪に八つの雷を却けるため、桃の実を礫....
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  • タイトル: 水の三日
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  講堂で、罹災民慰問会の開かれる日の午後。 一年の丙組(当日はここを、僕ら――卒業生と在校生との事務所にした)の教室をはいると、もう上原君と岩佐君とが、部屋のまん中へ机をすえて、何かせっせと書いていた。 うつむいた上原君の顔が、窓からさす日の光で赤く見える。 入口に近い机の上では、七条....
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  • タイトル: Mensura Zoili
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  僕は、船のサルーンのまん中に、テーブルをへだてて、妙な男と向いあっている。 ――  待ってくれ給え。 その船のサルーンと云うのも、実はあまり確かでない。 部屋の具合とか窓の外の海とか云うもので、やっとそう云う推定を下しては見たものの、事によると、もっと平凡な場所かも知れないと云う懸....
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  • タイトル: 松江印象記
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  松江へ来て、まず自分の心をひいたものは、この市を縦横に貫いている川の水とその川の上に架けられた多くの木造の橋とであった。 河流の多い都市はひとり松江のみではない。 しかし、そういう都市の水は、自分の知っている限りでたいていはそこに架けられた橋梁によって少から......
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  • タイトル: 魔術
    著者: 芥川龍之介
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある時雨の降る晩のことです。 私を乗せた人力車は、何度も大森界隈の険しい坂を上ったり下りたりして、やっと竹藪に囲まれた、小さな西洋館の前に梶棒を下しました。 もう鼠色のペンキの剥げかかった、狭苦しい玄関には、車夫の出した提灯の明りで見ると、印度人マティラム・ミスラと日本字で書いた、......
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